アマチュアゴルファーの多くは、右に大きく曲がるスライスボールに悩まされています。「万年スライサー」という言葉があるように、何十年もゴルフをやっていてもスライスを打ち続ける人もいます。でも諦めることはありません。ちょっとしたテクニックで、スライスを防止することができるのです。

 なぜ、スライスが出てしまうのか。まずはそのメカニズムから検証していきましょう。インパクトでクラブフェースが開いて(右を向いて)当たると、ボールは右方向へ飛び出します。そして打球には右回転のサイドスピンがかかるため、右に大きく曲がるのです。

【第2回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson2「万年スライサー脱出作戦」
「右」に曲がるミスを防ぐならボールの奥を、「左」に曲がるミスを防ぐなら手前を見るのが、実践的なテクニックだ。

 つまり、スライスの元凶はインパクトでクラブフェースが開いて当たること。バックスウィングで一度開いたクラブフェースを、インパクトまでに戻してくることが最優先課題というわけです。

 「スウィング軌道がアウトサイドインだからスライスが出る」というのは勘違いです。アウトサイドイン軌道でも、スクエア(まっすぐ)なインパクトならボールは右に曲がりません。スライスを防ぐためには、スウィング軌道よりもクラブフェースの向きに留意しましょう。

 皆さんはアドレスしたときに、ボールのどこを見ていますか。「ボール全体を漠然と見ている」という人や「ボールの右サイドを見ている」という人が多いと思います。

【第2回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson2「万年スライサー脱出作戦」
視覚的な効果でスライスは防げる。ボールを1個分左にずらして、赤いボールの奥を見ると効果は倍増する。

 スライスを防止するのなら、ボールの奥を見るようにしましょう。構えたときにボールのどの部分を見るかによって、クラブヘッドの入り方(戻り方)が違ってきます。これは視覚的な効果を狙ったもので、誰でも簡単にできる即効テクニックです。

 ボールの右側や手前側を見てしまうと、ヘッドのヒール(ネック側)が先行して、クラブフェースが開きやすくなります。しかし奥を見ると、ボールを包み込むような感覚が生まれて、ヘッドのトゥ(先端側)が返ってくる。つまりフェースターンの動きが強くなって、インパクトでフェースがまっすぐになるというわけです。

(取材・文/小山俊正)