日本一、いや世界一ふざけている会社といっても過言ではないだろう。Webコンテンツの制作・運営を手掛ける「バーグハンバーグバーグ」という会社だ。「社名の由来は?」と訊くと、社長のシモダテツヤ氏はサラッと答える。「一見してふざけていることがわかる社名がいいかなと。酔っ払っているときに決めました」。
制作物もおふざけ感いっぱいのものばかりだ。例えば渋谷のカレー店から冷凍カレーの商品企画やプロモーション、Webサイト制作を依頼され、名付けた商品名が「インド人完全無視カレー」。「インドからカレーのシェフを招いて受けたアドバイスを全て無視し、日本人の味覚に合わせて開発したカレー」というのが商品コンセプトだ。
コラボだったはずが
ケンカ売ってるの?
「コンビニなどが有名シェフと商品を共同開発するのはよくあること。その見慣れた“テンプレート(雛型)”を使って、インド人のシェフを招くまでは流れが一緒です。でもそのアドバイスを無視することで、前フリが全部、お笑いでいうところの“ボケ”になります。誰しもが『だったら何で呼んだんだよ』とツッコミを入れたくなるのがミソです(笑)」(シモダ氏)
2011年6月に発売すると、物珍しさからネットメディアを中心に多方面で取り上げられた。すると、記事を読んだユーザーが、自分なりのツッコミをTwitterやFacebookなどに書き込み、瞬く間にネット上に話題が拡散。認知は一気に広まったのだ。
さらに驚くのは、同社が町のカレー店向けといった小規模な仕事だけでなく、大企業の商品プロモーションの実績も数多く持つことだ。例えば、ホンダ。人気の軽自動車「N BOX+」のプレゼントキャンペーンサイトの企画・制作をバーグハンバーグバーグが手掛けた。
シモダ氏は、その経緯をこう話す。
「N BOX+の宣伝を担当する大手広告代理店の会議に急遽呼ばれ、最初はページデザインのみを依頼されました。でも、うちは企画から制作までを丸ごと受注するのが基本方針。デザインだけの仕事は受けていません。そう伝えると『だったら何かアイデアはある?』と訊かれまして…。
その場で思いつくままにアイデアを出していったら、それまでほぼ決まりかけていた企画がどんどんひっくり返って、最終的にバーグハンバーグバーグとホンダが全面的にコラボレーションするサイトを作ることが決まりました」