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【第162回】 2013年10月30日
著者・コラム紹介
待兼音二郎

電子書籍時代を雑誌はどう生き延びるのか
――鉱脈は記事のバラ売りにあり?(前編)

『誰が音楽を殺したか?』 (週刊ダイヤモンド 特集BOOKS Vol.1)はKindleストアで100円。Nexus7で読むと本文44ページだった

 マイクロコンテンツが電子書店を賑わしている。30~90ページという小冊子サイズの電子書籍のことだ。100円~300円程度という安さと、30分~1時間ほどで読み切れる手軽さが魅力で、KindleストアやBookLiveで特集セールが組まれるまでになっているのだ。

 わけても一大潮流となっているのは、雑誌記事を再構成して単独の電子書籍にしたてたものだ。これがいま、売れている。「週刊ダイヤモンド 特集BOOKS」の『誰が音楽を殺したか?』がKindleストアで売上総合1位になったことを筆頭に、トップ10やトップ50にランクインするタイトルが相次いでいるのだ。

 しかしそれらは、要するに雑誌記事をバラ売りするということだ。本誌にも載っているものがなぜ単独で売り物になるのか? バラ売りが本誌の首を絞めることにはならないのか? 各誌に狙いや取り組みを訊いた。

リリースの狙いは、
「第2特集」に光を当てること

 「週刊ダイヤモンド 特集BOOKS」は、前述の『誰が音楽を殺したか?』(2013年1月28日)からスタートした。楽天kobo(12年7月発売)、アマゾンKindle(12年11~12月発売)が日本にも上陸し、電子書籍リーダーが普及しはじめた時期のことだ。「ちょうど同時期に音楽の特集を進めていて、このテーマなら電子化にもマッチすると思ったのがきっかけです」と、同書の主著者でシリーズ展開の主導役でもある清水量介記者は語る。

 ちなみに『誰が音楽を殺したか?』は、「週刊ダイヤモンド」2013年1月12日号の第2特集を再構成したものだ。雑誌から記事を切り離して別売りすることには、「第2特集」に光を当てる狙いもあると清水記者は言う。

 雑誌の表紙や中吊り広告で注目が集まるのは、どうしても第1特集だ。それに目をとめて買ってくれる人はいても、第2特集がきっかけで手に取ってくれる人はなかなかいない。「第2特集には、意図する人に読んでもらえない悩みがありました」(清水記者)。

 実際に『誰が音楽を殺したか?』は、週刊ダイヤモンドの主要読者層である40~50代男性よりも、むしろ若年層の方が関心が高いと思われる内容だ。しかし紙の雑誌である限り、毎号買ってくれる人以外には読者が広がりにくい。それもまた、特集BOOKSをリリースした狙いのひとつだという。目論見通りに特集BOOKSは幅広い層に売れ、週刊ダイヤモンドというブランドの認知度向上にも一役買っている。

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