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オヤジの幸福論

実践編(2):年齢によって投資の仕方を変える

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第22回】 2013年10月29日
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 資産形成を実践するうえで重要な3つのポイントのうち、前回は「目的に合った投資をする」ことについてお話ししました。簡単におさらいすると、老後の生活資金を準備するという目的に対しては、減らさないことよりむしろ、インフレ・リスクや長生きリスクに対処するため殖やすことを目標とすべきで、また人生90年時代の日本では定年退職後も十分な投資期間があるので、「長期で殖やす」高リスク・高リターンの運用が適切と言うことです。ただ、この高リスク・高リターン運用をずっと続けるというわけではなく、年齢に合わせて資産の中身を調整する必要があります。

 そこで今回は、2つ目の重要なポイントである「年齢によって投資の仕方を変える」ことについてお話しします。

自分の価値を測る

 誰でも自分の価値(本コラムでは、あくまで収入を稼ぐ能力という意味での価値)を測るのは嫌なことですが、それは資産形成においては大切な第一歩で、専門用語で「人的資本」と言います。人的資本とは、あなたが将来にわたって稼ぐ収入すべての現在価値であり、働く期間が長い若いときほど、そして収入が高い人ほど大きくなります。また、サラリーマンや公務員の場合は給与収入という安定したインカム・ゲインが毎月発生するため、人的資本は低リスクの債券に近い特徴があります。

 こう言うと、「昔ならいざ知らず、今のサラリーマンの収入は安定しておらず、公務員も財政再建の一環で人数や給与が減らされる」と思う人もいるでしょう。確かに、終身雇用による年功序列の給与体系が揺らぎ、リストラや実績連動により収入の変動性が高まっているのは事実ですが、日本の失業率は欧米に比べれば低く、年功序列的な要素もまだ多分に残っています。日本では基本的に収入が年によって半分になったり倍になったりするような極端な変動はなく、収入は比較的安定しているため、人的資本は「疑似債券」と言うことができるのではないでしょうか。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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