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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

納車まで1ヵ月もかかった上にブレーキが効かない!
マレーシアで痛感する「日系グローバル化」の綻び

――処方箋㉛ 末端にまで目が行き届いてこそ、真のグローバル企業

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第31回】 2013年10月30日
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マレーシアで日本車を買おうとしたら
イギリス人の同僚が経験した「悲劇」

 イギリスから赴任してきた筆者の同僚が経験した話である。

 マレーシア、特にクアラルンプール近郊は、アメリカに匹敵する車社会だ。公共交通機関が少ない、治安がよくない、国土が広い、という条件がある上に、産油国なのでガソリンが安いため、みな車を持つ。

 彼も例外ではなく、こちらに来てから車を買おうとしていた。

 車社会であるため、車の需要は常にある。アメリカもそうだが、そういう国では中古車が非常に高い。1500ccのカローラに相当する日本車が3年落ちで、150万以上するのだ。したがってマレーシアでは、車を買うことはかなり重要な意思決定となる。

 ちなみにマレーシアには、「プロデュア」と「プロトン」という2つの自動車メーカーがある。プロデュアはダイハツと提携しており、ダイハツはトヨタ傘下なので、実質的にトヨタと提携、エンジンもトヨタ製を使っている。プロトンは、少し前まで三菱自動車と提携していた。

 これらの車のエンジンは良いが、内装や強度、安全性については、日本車の方が圧倒的に優れているという意見が多い。事実、少し前までプロデュアの主力車「マイヴィ」にはエアバッグさえ装着されていなかった。したがって、マレーシア人でさえ、お金があれば日本車やドイツ車が欲しいと思っている。

 しかし、これらの国産車の保護のため、マレーシア政府は外国車にはかなり高い税金をかけている。このため日本車は、日本で買うよりもずっと高い。ホンダのシビックを新車で買うと、最低でも300万円以上する。そのため、日本で買った車を個人輸入する人も多いと聞く。もちろん、ドイツ車なども同様に高い。

 イギリスから赴任した私の友人は、マレーシア人の友人に保証人になってもらい、長年のローンを組んで新車を買うことにした。当初はホンダの「シビック」を考えていたが、マレーシアではホンダは日本車の中でも最も人気が高く、最も価格も高いブランドだったので、色々と見て回った末に他の日系自動車メーカーの車にした。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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