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悶える職場~踏みにじられた人々の崩壊と再生 吉田典史

誰もがうつになる職場で伸びる部下と潰れる部下
気鋭コンサルが暴く「複雑職場」の悶える格差

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第23回】 2013年12月10日
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 今回は、25年近く人事に携わる人事コンサルタントの寺崎文勝氏(EYアドバイザリー株式会社)に取材を試みた。氏は組織・人事領域のコンサルタントとして、組織体制・人事制度・ 人材開発・役員報酬などのコンサルティングに関わっている。

 人事コンサルタントで、キャリア・実績の面で「一流」と言われているのは20~30人。中堅・大企業や外資系企業は、報酬が大きな額になるコンサルティングなどについて、この数十人に依頼することが多い。

 筆者は、ここ8~9年間、取材を通してこの数十人と一通り接点がある。印象で言えば、その大半が雇用問題の真相を正確に捉えている。企業社会を俯瞰で捉える目とローアングルで職場の実態を見据える目を兼ね備えているのが、特徴である。

 他の大勢の人事コンサルタントは、俯瞰の目があったとしても、ローアングルで捉えることができない傾向がある。日頃、経営側としか接点がないからだと思う。それでは、多くの会社員には遠い存在であり、コンサルの内容も無味乾燥なものになるだろう。

 そうした問題意識もあり、今回はこの数十人の1人である寺崎氏に取材をした。テーマは「職場で悶える社員はなぜ生まれるのか」だが、その背景について尋ねた。俯瞰とローアングルの双方の眼差しを、読者には感じ取ってほしい。


人事コンサルタントの寺崎文勝氏

「ノット・シンプル」の職場で求めらる
プレイングマネジャーのスーパーマン

筆者 今や多くの企業で、課長や部長、支店長などの管理職層にはプレイングマネジャーであることが求められていますね。プレイヤーをしつつ、部下の育成などを始め、マネジメントをしなければいけない。あれは、なかなか難しいことに見えます。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


悶える職場~踏みにじられた人々の崩壊と再生 吉田典史

 企業で働くビジネスマンが喘いでいる。職場では競争原理が浸透し、リストラなどの「排除の論理」は一段と強くなる。そのプロセスでは、退職強要やいじめ、パワハラなどが横行する。最近のマスメディアの報道は、これら労働の現場を俯瞰で捉える傾向がある。

 たとえば、「解雇規制の緩和」がその一例と言える。事実関係で言えば、社員数が100以下の中小企業では、戦前から一貫して解雇やその前段階と言える退職強要などが乱発されているにもかかわらず、こうした課題がよく吟味されないまま、「今の日本には解雇規制の緩和が必要ではないか」という論調が一面で出ている。また、社員に低賃金での重労働を強いる「ブラック企業」の問題も、あたかも特定の企業で起きている問題であるかのように、型にはめられた批判がなされる。だが、バブル崩壊以降の不況や経営環境の激変の中で、そうした土壌は世の中のほとんどの企業に根付いていると言ってもいい。

 これまでのようにメディアが俯瞰でとらえる限り、労働現場の実態は見えない。会社は状況いかんでは事実上、社員を殺してしまうことさえある。また、そのことにほぼ全ての社員が頬かむりをし、見て見ぬふりをするのが現実だ。劣悪な労働現場には、社員を苦しめる「狂気」が存在するのだ。この連載では、理不尽な職場で心や肉体を破壊され、踏みにじられた人々の横顔を浮き彫りにし、彼らが再生していくプロセスにも言及する。転機を迎えた日本の職場が抱える問題点や、あるべき姿とは何か。読者諸氏には、一緒に考えてほしい。

「悶える職場~踏みにじられた人々の崩壊と再生 吉田典史」

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