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山崎元のマルチスコープ

NISAスタートの多難を案じる

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第312回】 2014年1月15日
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しょっぱなから厳しいマーケット
NISA元年、新年相場の波高し

 新年からNISA(少額投資非課税制度)が始まった。

 簡単に言うと、NISAは、1人毎年100万円までの投資の収益について5年間非課税にする制度だ。昨年の10月1日から税務署での受け付けが始まり、今年の年初からスタートした。

 株式、為替などのマーケットの様子を見ると、スタートから張り切ってNISA口座で投資した投資家にとって、マーケットの展開は厳しいものになった。

 株式市場は年初から波乱の展開だったが、先週末の米国の雇用統計を材料とする円高が、日本の株価に大きな悪影響を及ぼした。

 推察するに、少なからぬNISA投資家が、株式ないしは、外貨のリスクを取る投資対象でNISAでの運用をスタートしていただろう。彼らの多くは、早速含み損を抱えて運用をスタートした。

 ベテラン投資家はともかく、金融機関やメディアに煽られてNISAで投資を始めた初心者投資家に関しては、この経緯で運用を怖いものだと思ったり、嫌いになったりすることが心配だ。相場なので仕方がないが、不運なスタートだ。

 株価も為替レートも「相場」だ。筆者はその将来を予測できるわけではない。しかし、今後も継続されることが確実視される金融緩和を背景とした展開であることからして、筆者は「波は高いが」、日本が金融緩和政策を「マイルドなインフレ」の実現まで続けざるを得ない以上、株高と円安は今後もまだ続く公算が大きいのではないかと思っている。

 最終的な判断は個々の読者にお任せするが、ここまでの展開に懲りて、NISAを、そして資産運用を、嫌いにならないでほしいと申し上げておく。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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