すでに述べたように、日本企業のマネジャーは「変革活動に参加し、そこから事業実行力を身につける」ことを苦手としている。ただ「変革活動など、そう簡単に経験できるものではない」という見方もあるだろう。しかし、変革活動といっても、全社レベルの活動だけではなく、部門レベルの活動もあるし、リーダー的な役割だけでなくサポート役として変革に関わることも可能である。身近な変革から取り組むことで、マネジャーとして一皮むける糸口を見つけることができるはずだ。

 次回は、どのようにしたら「連携」「変革」「育成」の経験を積むことができるのか、というテーマについて考える予定である。

(編集部からのお知らせ)
 本稿についてより深く知りたい方は、松尾睦著『成長する管理職:優れたマネジャーはいかに経験から学んでいるのか?』
(東洋経済新報社)も参照してください。