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三谷流構造的やわらか発想法

歴史は変わる、作られる
~伊勢神宮、出雲大社、遷宮のナゾ

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第78講】 2014年1月23日
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1989年、伝承通りに
古代出雲大社を復元してみたら……

 お正月に、NHKで『二つの遷宮 伊勢と出雲のミステリー』を見ました。そこで一番衝撃を受けたのは「歴史は変わる」「歴史は作られる」ということ。2つの遷宮とは、伊勢神宮と出雲大社のそれなのですが、まずは出雲大社のナゾから。

 現存する出雲大社本殿の高さは、24.2m(8丈)です。大国主命(オオクニヌシノミコト)を祭る本殿は入母屋の、いわゆる「大社造り」のどっしりした姿で、神社としては日本で最高(高さが高い)です。

 ただ、木造寺社でいえば、奈良の大仏さま(盧舎那仏)を納める東大寺大仏殿(金堂)が、現在48m、創建当時
45m(15丈)でそれをはるかかに凌ぎます。

 ところが出雲大社については、不思議な伝承が古来からいくつもありました。

出所:出雲國造家(千家)
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・平安時代の『口遊(くちずさみ、*1)』には「雲太、和二、京三(うんた、わに、きょうさん、*2)」とあり大仏殿より出雲大社のほうが高いとされている。
・数年から数十年に1回、倒壊をくり返していたとの記録*3が残っている。
・平安時代の図面「金輪造営図(かんなわぞうえいず、*4)」では、本殿は巨木を3本まとめた直径3m柱で支えられ、階段の長さは109mとなっている。

 なんと昔、出雲大社本殿は巨柱に支えられて今の倍も高かったというのです。確かに、出雲大社の社伝でも、中古には本殿の高さは16丈(約48m)もあったとされています。つまりこんな感じです(大仏殿は当時、高さ45m)。

 当然みな、半信半疑でした。「こんなの建つわけない」。

 

*1  970年に文人 源為憲が貴族の子弟向けに書いた教科書。乾象、時節、官職、人倫、禽獣など19部門に分け暗唱できるようにまとめてある。暗算の仕方である「九九」が載っていることで有名。
*2  出雲太郎、大和二郎、京の三郎。各々、出雲大社本殿、東大寺大仏殿、平安京大極殿のこと。
*3  平安中期から鎌倉時代初めまでの200年間に7度も倒壊している。
*4  出雲大社の宮司である出雲國造家(千家)に伝わるもので、平安期の本殿の指図(設計図)の1つとされる。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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