東京はテロの標的に
なりやすい街か?

 東京オリンピック招致委員会はIOC関係者に向けて発表した計画書の中で、五輪期間中のセキュリティ要員の数を約5万人に設定。そのうち2万1000人は警察官で、民間警備員が1万4000人、さらに9000人の警備ボランティアも会場周辺に配置される計画となっている。

 過去の五輪開催国にはそれぞれ異なる政治事情が存在したが、2020年大会におけるテロの脅威は決してゼロではないようだ。テロ対策に詳しい公益財団法人・公共政策調査会の板橋功第1研究室長が語る。

「こういった国際的なイベントはどうしてもテロの標的になってしまう。世界中から多くの人が訪れるイベントということもあり、テロリストにとっては格好のPRになるからだ。オリンピックに限らず、サミットといった国際会議も同様の理由で標的になりやすい」

 板橋氏は海外からテロリストが武器を持ち込んでテロを決行する可能性は低いとしながらも、日本国内で市販されている化学肥料などを購入し、手製爆弾を作る危険性は少なからず存在すると指摘する。

 爆弾などを用いたテロに加えて、近年その脅威が指摘されているのがサイバーテロだ。日本やアメリカでは政府機関のウェブサイトに対してハッカーが攻撃を仕掛ける事件がいくつも発生しており、2007年にはロシアとの関係が悪化していたバルト三国のエストニアが、ロシアから大規模なハッカー攻撃を受け、政府系のウェブサイトが軒並み停止しただけではなく、オンライン銀行も使用不可能となり、市民の生活に大きな打撃を与えた。

 日本のサイバーテロ対策について板橋氏が語る。

「昨年12月に総理官邸で犯罪対策閣僚会議が開かれ、その冒頭で議題となったのがサイバー犯罪やサイバーテロに関する対応策だった。これは日本におけるサイバー攻撃対策がまだまだ遅れているため、政府がもっと本腰を入れて対応すべき問題だという危機意識の表れでもあった。現在は内閣官房にもIT戦略室が設立され、10年前と比べた場合、サイバー犯罪などに対する政府内の危機意識は大きく変化したが、他国と比べると人員も予算がまだまだ少ないといった問題もある」

 東京では駅や繁華街を中心に多くの防犯カメラが設置されたが、カメラそのものが古い場合や、映像を共有するシステムも存在しないため、東京都全体で防犯カメラの情報を活用する体制は整っていないと板橋氏は語る。