うちの会社のスゴい商品をヒットさせる方法 石黒不二代
【第4回】 2014年3月3日
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石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

なぜメルマガはすぐに捨てられてしまうのか

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 「メルマガ会員が100万人もいるのに、クリック率が低く、全く誘導につながりません」

 実によく耳にする企業サイト担当者の悩みです。

 一方で、様々なサイトから毎日大量に送られてくるメルマガ。あなたはすべて開封し、全文に目を通しているでしょうか。ほとんどのメールをゴミ箱に捨てて、たまに面白そうなものだけ開いてちょっと読む、という人が多いのではないかと思います。

 メールマガジンは、デジタルマーケティング時代における重要な顧客接点です。でも、なぜこの企業の宣伝や販促活動は、いつまでも顧客に届かないのでしょうか。

なるべく多くの人に知らしめる時代から
お客様100人100通りの時代へ

 その前に、マスマーケティングとデジタルマーケティングの違いについて簡単に説明しておきましょう。

 マスマーケティングの時代には、人が大量に集まる4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)を中心とする大量の告知こそ、顧客を呼び込む一番よい方法だと思われてきました。マスマーケティングの時代背景には、大量生産・大量消費があります。誰もが同じものを欲しがる時代だからこそ、マスマーケティングの価値がありました。また、対象となる潜在的な顧客の行動が企業側から見えなかった時代でもあります。

 インターネットのように顧客情報を吸い上げるメディアはなく、口コミの伝播力も限定的、デジタル機器も普及していませんから、顧客接点も少なかった時代です。同じものを消費する生活者のために、多くの人に同じメッセージを発信することが最も効果的でした。

 それでも、子どもを対象にした商品であれば、子どもやその親が見るテレビ番組、女性向けの商品ならば女性ファッション誌など、漠然としたターゲットメディアを通じて告知するというのが最も効果的なマーケティングの方法でした。

 一方、デジタルマーケティングはその対極にあるもので、このマーケティングの原点は、1人ひとりの嗜好や行動を理解することです。そのために、あらゆるチャネルを通した顧客との接点のなかで、顧客を知る行為をひたすら探し求める必要があります。「顧客を知る」とはつまり、顧客それぞれに紐づいた何らかのIDを取得し、購買データからお客様の名前や属性を認識し、様々な顧客接点から得られる興味・関心をそのIDとつないでいくことです。

 今では、多くのサイトからデータ分析ができるようになりましたが、インターネットが隆盛を誇るようになって以降、私たちがまず分析に取り組んだのは、自社メディアと呼ばれる企業サイトやECサイトであり、米国の会社を中心として分析ツールも開発されていました。

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石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

スタンフォード大学にてMBA取得後、シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立し、日米間の技術移転等に従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、ウェブを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。

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