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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

納税みたいな義務的CSRは、やめてしまえ!
「信頼されること」よりも、もっと大事なこと

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第109回】 2014年4月8日
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 今年もまた東洋経済から「CSRランキング2014年版」が発表された。CSRに関するランキングとしては、日本を代表すると言っても過言ではない同ランキングだが、正直に言って、ランキングが発表されるたびにどうにもやりきれない気持ちになることも確かだ。違和感を感じると言ってもよい。なぜか?

 それは、僕がCSRに求める大事な要素が、このランキングには決定的に欠けているからだ。もちろん、これは東洋経済のランキングなのだから、どのような基準でランク付けするかはそれこそ東洋経済の勝手だ。僕がどうこう言うべきことでもない。東洋経済が勝手に「これがオレ様が決めたランキングだ!!  文句あるか!?」という姿勢を貫けばよい。

 しかし、これが日本の代表的なCSRランキングであることから、「ここの上位にランクインした企業のCSRは素晴らしい」と、多くの人が無条件で信じてもらっても困るのだ。なぜなら、それでは日本企業のCSRは進化しないからだ。

企業の成長に寄与しない
CSRは意味がない

 まあ、CSR業界というのは「CSRとはなんぞや?」という議題を巡っていまだにいわゆる「神学論争」を繰り広げている業界だから、うかつに「CSRの進化」などと言ってしまうと、形而上学志向のCSR論者のみなさんに新たな議論のネタを提供してしまいそうで嫌なのだが、今回はあえてこう言い切っておく。

 CSRはもっと進化すべきだ。それは、企業の成長により深く、大きく寄与する方向に向かってだ、と。

 そもそも、基本的にというか大前提として企業のあらゆる活動は、その企業の長期的な成長に寄与するようなものでなくてはならない。逆に言えば、成長に寄与しないことは企業活動としてはNGである。

 たとえ役員や営業部長が銀座で高いメシや酒を喰らっていたとしても、それが「接待」という名の「成長戦略」につながるならば、その活動費も企業は認めてくれる。また、昨今の先進的な企業では、社員食堂がオシャレなカフェになっていて社員はタダだったり、社内でマッサージやネイルのサービスを受けることができたりするが、これも福利厚生を厚くして優秀な社員を確保したり、社員のクリエイティビティを上げることに役立つ限りは、その予算も無駄ではない。

 しかし逆に、いくらその活動が世の中のためになったとしても、その企業の成長に寄与しないCSRは、その企業にとって全く意味がない、というか害悪でさえある。そう言うと反発する人もいるかもしれない。たとえ自社の成長には役に立たなくても、社会の役に立つことをやる、それは意味のあることではないかと。

 しかし、そのように考える人は、社会的弱者というものを企業の外にしか見ることができない視野の狭い人である。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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