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企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負
【第8回】 2014年5月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
猿谷雅治

【プロローグから第1章までを公開!(8)】
赤字の原因はどこにある?
――名指しされた鋳造課の言い分

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万年赤字会社はなぜ10ヵ月で生まれ変わったのか? 実話をもとにした迫真のストーリー 『黒字化せよ! 出向社長最後の勝負』の出版を記念して、プロローグと第1章を順次公開。仕上課長から「赤字の原因は鋳造の技術不足」との指摘を受けた沢井。さっそく鋳造課の言い分を聞くことにする。(連載第1回目、第2回目、第3回目、第4回目、第5回目、第6回目、第7回目はこちら

赤字の理由は本当に鋳造の技術不足なのか?

 社長室に入ってきた阿部は大学で冶金学を専攻した技術屋である。背はあまり高くないが、がっしりした身体に砂と油にまみれた作業服を着て、色の黒い、およそ大学出のエンジニアには見えない男であった。

 眼が大きく、笑うと童顔になって親しみが持てる。例によって沢井がサービスするコーヒーを飲んで雑談しているうちにも、その誠実さ、素朴さが伝わってくる。

 沢井は、この会社を黒字にして、社員の生活を安定させたいと思っている、だからあえて名前をあげて話をするが、その目的のためだから、個人的な感情のしこりを持ってはならない。
 君もまた会社を黒字にするために、思っていることを洗いざらいしゃべってくれと前置きして、昨日の森山課長の話をした。

 阿部課長の大きな眼が伏せられた。
 いろいろな思いが頭のなかを走っているようであった。
 やがて顔を上げて、阿部は次のようなことを言った。

次のページ>> 鋳造課長の反論
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猿谷雅治 

 

さるや・まさはる。1952年東京大学経済学部卒業。住友金属鉱山(株)入社。経理、人事、組織、社長室のほか、事業部総務部長、関係会社出向などを経て1981年取締役就任。1984年常務取締役企画管理本部長。1993年富士短期大学教授。1996年富士短期大学副学長を経て富士短期大学経営研究所教授。1998年没。1964年、「目標による管理」を導入、実施して会社の業績向上に大いに寄与。人間を尊重する目標による管理の思想を中軸として、新しい経営管理論、組織論、リーダーシップ論などの実務への展開に力を注ぐ。主要著書に『目標設定による管理体制』『目標管理の要点』『目標管理の考え方』『創造的リーダーシップ』『仕事と目標と生きがい』などがある。

 


企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負

実話をもとにした迫真の企業再生ストーリー。大会社で役員目前だった沢井は、ある日突然、万年赤字子会社への出向を命じられる。辞令にショックを受けつつも、沢井は1年以内に黒字化することを決意。しかし、新しく人を雇ったり機械や設備を導入する予算はない。今ある人材、設備で黒字化するには社員の意識を変えるよりほかにない。そこで沢井が講じた施策とは…?プロローグと第1章を公開。

「企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負」

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