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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ロバータ・フラック「やさしく歌って」】
時代を超えて、人はなぜこの曲に癒されるのか?

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第85回】 2014年5月15日
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 世の中の進歩のスピードは、加速度を増しています。

 1990年代前半、ポケベルが普及したことを憶えていますか?今や過去の遺物ですが、当時は革命的でした。そして90年代後半は、小さな携帯電話が瞬く間に普及。“スーパー・ジェッター”を憶えている60年代の子ども達が夢に見た未来が、そこに現れたのです。しかしそれも束の間、スマートフォンが世界の主流となり、若き天才達は身に着ける時計に多機能を与えるウェアラブルで凌ぎを削っています。スティーヴ・ジョブズが存命なら、どんな未来をデザインしたでしょうか?

 世の中はどんどん便利になり、幸福度も増す。との確信で、人類は進化し続けてきました。それが人類の本能でしょう。

 しかし、英国の歴史・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンが喝破した現実もあります。“仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する”というパーキンソンの法則です。日々ビジネスの最前線にいる人ならば、実感するはずです。進化には加速度がつき、便利になった分だけ仕事は増える。一体、心休まる時は来るんだろうか?

 そこで、思い出す言葉があります。

 『人はパンのみに生きるにあらず。』

 これは、新約聖書「マタイによる福音書」に出てくる言葉です。人は物質的な満足だけではなく、精神的な充実が大切なのだ、と説いたものと解されています。読みようによっては、人生の価値は、仕事のみではなく別のところにもある、と示唆しているようです。例えば、音楽とか…。

 心安らぐ歌こそ、厳しい競争に疲れた時の一服の清涼剤です。目を閉じて歌に身をまかせれば、優しく癒される。それで再び、チカラが湧いてくる。そんな歌があります。

 と、いうわけで、今週の音盤はロバータ・フラック「やさしく歌って」です(写真)。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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