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シャドーバンキング規制で
中国が陥る“イタチごっこ”

週刊ダイヤモンド編集部
2014年5月28日
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 マネーの膨張に悩まされる中国が、いよいよ本格的なシャドーバンキング規制に乗り出した。

中国人民銀行(中央銀行)をはじめ、金融5当局連盟での新規制だけに本気度がうかがえるが…
Photo by Fusako Asashima

 5月16日に公表された新たな金融規制「127号文」。これは、銀行間市場での資金調達を総負債の3分の1未満に制限するというもの。規制の網をかいくぐって横行する中国のシャドーバンキングは、この銀行間取引を装いながら急拡大してきたからだ。

 中国では2009年以降、経済全般に流れるマネー総量(社会融資総量)が急膨張し、今やその規模は約120兆元(1920兆円)、対GDP比で約200%にも及んでいる。主要国のそれが100%前後であることを鑑みれば、いかに異常値であるかが分かる。

 こうした資金の多くは地方政府によるインフラ・不動産開発プロジェクトなどの不採算部門に流れており、過剰な設備、住宅在庫、そして債務を拡大させている。それだけに、膨らむマネーの吸収が喫緊の課題となっていた。

 中でも当局が問題視しているのが、“迂回融資”で拡大するマネーだ。通常の銀行貸し出し以外のルートであることからシャドーバンキングとも呼ばれる。公式統計や複数の民間推計を総合すると、その規模は30兆元前後とみられる。

 背景にあるのは、厳格な銀行規制だ。中国には、融資総額が預金総額の75%を超えてはならないという「預貸率規制」がある。そこで融資を増やすべく銀行が編み出したのが、別の銀行を間にかませてローン資金を提供し、表面上は銀行間融資に見せ掛ける、という迂回融資手法だった。

 今回はこの銀行間取引に規制をかけるとあって、金融界からも「しばらくは迂回融資はなくなるし、銀行間市場金利も低下するだろう」(上海銀行間市場関係者)と評価の声が上がっている。

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