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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

重要な変化は
ノンカスタマの世界で起こる

上田惇生
【第40回】 2008年2月26日
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ネクスト・ソサエティ
ダイヤモンド社刊 2200円(税別)

 「われわれは外の世界を知らない。たとえ業界リーダーの地位を占めても、同種の財やサービスを購入している人たちの過半は自社の顧客ではない」(『ネクスト・ソサエティ』)

 ドラッカーは、顧客であっておかしくないにもかかわらず、顧客になっていない人たちを「ノンカスタマ(非顧客)」と呼ぶ。じつは彼らこそ、来るべき変化を知らせてくれる貴重な情報源である。

 産業の変化を調べるならば、そのほとんどが既存の市場、製品、技術の外で起こっている。したがって、外の世界で起こることを知らなければならない。

 たとえば女性の社会進出の急速な進行を見過ごしていたデパートだ。昼働く彼女たちは、デパートで買い物ができなかった。当然デパートは彼女たちの情報を持たなかった。そのうえデパートは、なぜだかこの新しく登場した消費者層、しかも時代の最先端を行く豊かな世代が来店していないことに無関心だった。

 ところが1980年代も終わり近く、このノンカスタマが流行や買い物の形態を左右する存在になった。

 だが手遅れだった。こうしてデパートは、ますます数の少なくなる自らの顧客についてのみ、ますます多くの情報を手にするようになった。

 「あらゆる組織にとって、もっとも重要な情報は、顧客ではなくノンカスタマについてのものである。変化が起こるのは、ノンカスタマの世界においてである」(『ネクスト・ソサエティ』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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