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カツラーは今日も闘っているのだ!

もし空港の金属探知機に反応したら…
日々恐怖と闘うカツラーの告白

小林信也 [作家・スポーツライター]
【第1回】 2010年1月28日
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 私はカツラーです。

 カツラをかぶって生きています。いまは快適なカツラー・ライフ。だから明るく「カツラだよ」と言いふらしていますが、以前は苦痛の日々でした。

 東京の冬は、ちょっと寒いけど毎日青空でうれしい。雪国生まれなので、1月、2月に土が見える生活なんて夢のよう。でも乾燥しすぎるのは、カツラーの大敵。

 ドアのノブや誰かの手に触れたとき、静電気でピリッとしびれた経験は誰もが持っているでしょう。冬は乾燥の季節です。これがカツラにも思わぬ影響を与えます。

 言うまでもなく、カツラの毛に毛根はありません。私が使っているのは人毛。誰かの毛をいただいて、製品に加工したわけです。

 人間の髪だって、下敷きをこすって頭に載せれば総立ちになって、みんなで笑い合った経験、小学校のころありませんか? 毛根がない分、生えている髪以上に乾燥するのでしょうか。うっかりすると、カツラのてっぺん、何本かの遊び毛がゆらーりゆらーりと、頭上で天を指し、ダンスを踊ることがあります。ムーミンに出てくるニョロニョロみたい。

 まっ、気にしなければ楽しい頭上装飾ですが……。自毛だったらそこまでゆらゆらなびくかどうか。

(小林さんの髪、なんか変)

 と思われたら一大事です。カツラを内緒にしていたころの話ですが。だからもう、冬はしょっちゅうトイレに駆け込み、水道の水を指に取って頭にペタペタ塗っていました。

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小林氏の最新著書「カツラーは今日も闘っているのだ!」発売中

20代から薄げに悩み、ある日思い切ってカツラを選択した著者。が、スポーツライターなのにアウトドアを避けるようになり、テレビ出演も断わり、どんどん内向的に。カツラーの悩みと葛藤、業界の掟などを面白おかしく綴った一冊。

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小林信也 [作家・スポーツライター]

1956年新潟県長岡生まれ。慶応大学法学部卒。高校では野球部の投手として新潟県大会優勝。大学ではフリスビーの国際大会で活躍。大学生の頃から『ポパイ』編集部スタッフライターをつとめ、卒業後は『ナンバー』のスタッフライターを経てフリーライターに。2000年に自らカツラーであることを著書『カツラーの秘密』でカミングアウト。著書は他に『高校野球が危ない』『子どもにスポーツをさせるな』『カツラーの妻(おんな)たち』など多数。


カツラーは今日も闘っているのだ!

カツラーとは、カツラをつけている人を意味する愛称です。カツラーは人知れず、日々闘いの連続。闘う相手は、汗・風・水(温泉)、他人の視線(たぶん自意識過剰)、恋人・妻・家族、そして自分自身。そんなカツラーの哀しくも闘う姿をご紹介しましょう。

「カツラーは今日も闘っているのだ!」

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