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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ウッドストック】
40万人が熱狂した野外フェスの原点
ロックが最も輝いた瞬間

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第91回】 2014年8月7日
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 世の中には、ビジネス、政治、アート、科学をはじめ森羅万象の出来事が起きています。それぞれには独自のミクロコスモスがあって、必然と偶然が絡み合い、相互に影響を与え合います。

 そしてある時、世の中の流れを大きく変える分水嶺となる出来事が起こります。

 最初は、普通の人には理解できない奇妙なことのようでいたものが、やがて世界を変える革命、と言ってもよい出来事となるのです。ビジネスの世界で言えば、御木本幸吉の真珠養殖やヘンリー・フォードの自動車大量生産。その前後では産業のあり方が完全に変わりました。最近の例では、アップルやグーグルやアマゾン、楽天などでしょう。

 ロックの世界も似ているかもしれません。一つ一つは過激でアヴァンギャルドな音楽と捉えられていただけかもしれませんが、新しい音楽を指向する連中が互いに影響し合いながら、新しいロックの流れが徐々に出来上がっていきます。支流が合流し最終的に大河の流れになっていくわけです。1960年代後半に同時多発的に起こった新しいロックの動きが、その後の音楽を完璧に変えていきます。

 と、いうわけで、今週の音盤は「ウッドストック」(写真)です。

1969年の奇跡

 ウッドストック・フェスティバルは、1969年8月、米国ニューヨーク州北部のサリバン群ベセルにあるマックス・ヤシュガー氏の農場で開催さた世界初の大規模野外コンサートです。出演したアーティストは、ジャニス・ジョップリン、ジョーン・バエズ、ジェファーソン・エアプレイン等々30組以上。集まった観客は40万人以上と推計されており、新しく美しい音楽の咆吼に酔いしれたわけです。

 しかもウッドストックは、若者が熱狂した最先端の音楽の祭典というだけではなく、当時の社会の様相をも象徴する出来事となりました。というのも、1969年はヴェトナム戦争の真只中。徴兵制により多くの若者が戦争に送られ、多大な犠牲を出していたことと密接な関係があります。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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