斎藤顕一の営業プロフェッショナル養成講座
【第16回】 2014年8月18日
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斎藤顕一  [ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

営業のバリューチェーン:
部下を育成して成果を上げる【3】 [本質的問題解決Q&A]

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バリューチェーンとは「会社が価値を生み出すために行う事業の大きな流れ」です。その各構成要素が競合より強力であれば競争力が増してシェアも売上も伸びます。これを営業活動全体に当てはめ、強みを伸ばし弱みを克服する方法が、すなわち部下の営業活動に対する有効なアドバイスになるのです。


Question


新卒で電機メーカーに就職して地方の営業、首都圏の法人担当を経験して、今年マネジャーに昇格しました。本部長、部長、課長とこれまで数十人のマネジメントを見てきましたが、部下から見て良いマネジャー・悪いマネジャーはっきりしています。それは、どうすればいいかを具体的に指摘してくれるかどうかです。良いマネジャーについている時は自身の成長を実感できました。自分の癖や考え方を理解したうえで方向性を示してくれたと感謝していますが、いざ部下を持つと、それぞれの個性を生かした指導というのは難しいものです。昇進して3ヵ月経つのに、部下の行動分析すらできない有様です。どのように考え指導すればよいのでしょうか。
(質問者:、電機メーカー、男性、32歳)


Answer


 過去2回にわたり、「昇進したのに部下の行動分析すらできない」「どのように考え指導すればよいのか」という営業マネジャーの質問に対し回答してきました。

 まず第14回では、3つのことを考える必要あることを説明しました。第1が自部門の全体像、つまり業績を上げるための取り組み方を理解する。第2に、経験則に頼るのではなく、営業活動の流れに沿って自部門で生じている問題を明らかにし、その原因をあぶり出し、解決法を考えてみる。これらができて、部下それぞれの行動を見るということでしたね。

 こうして明確にされた営業の流れに従って、自部門のどの活動に大きな問題があり、その原因が何かを考え、それに対してマネジャーとして適切な対応が取れているのかも確認するアプローチを紹介しました。それが、漏れ分析です。そして、前回の最後に、自身のマネジメントスタイルやバリューチェーンの強化方法をしっかりと理解していないと、本当の意味での部下の育成はできないと述べました。そこで今回は、具体的に部下をどのように指導したらよいかについて考えてみましょう。

 質問者は、良いマネジャーは「どうすればいいかを具体的に指摘してくれる人」と言っています。それも単なる思い付きではなく、部下1人ひとりの成績の推移を理解した上で営業活動をつぶさに観察し、部下が成果を上げることができるように指導してくれたら、文句無しです。そういう上司なら、私がよく言う「企業にも必要な家庭教師的育成法」を実践することでしょう。それは、個人の思い込みではなく、より客観的に指導する方法です。いったいどうすればいいのでしょうか?

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斎藤顕一 [株式会社フォアサイト・アンド・カンパニー代表取締役]
[ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、パートナー、大阪支社副支社長を務め、1996年にフォアサイト・アンド・カンパニーを創業、現在に至る。経営コンサルティングに加えて問題解決のスキル研修を数多く手がけ、企業の業績向上に大きな成果を上げてきた。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学において、経営学部および大学院経営学研究科教授。これまでBBTオープンカレッジ、学部、大学院の生徒や企業研修の生徒を合わせて、2万人以上の人たちに問題解決の考え方や実践の仕方、また成果実現の方法を教える。大前研一氏との共著に『実戦! 問題解決法』(小学館)、『大前研一と考える「営業」学』(ダイヤモンド社)がある。単著に『[新版]問題解決の実学』(ダイヤモンド社)がある。

 


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「営業の達人」のスキルは努力の賜物であり一朝一夕に身につくものではありません。でも実は、日々の営業活動のなかに、これを習得する近道があります。困っていること、わからないこと、迷っていること等々は「営業目標を達成するために最も重要な成功の鍵」です。これらの問題を「発見」し、「解決」することで、営業プロフェッショナルとしてのスキルが培われます。

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