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顧客の現実から驚くほど乖離しているデータ分析

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【第31回】 2014年8月18日
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マイケル・
マオズ
ガートナー バイスプレジデント 兼 最上級アナリスト

 経験的データ、すなわち一般消費者としての我々の身に起こっている物事の集積は、国や産業という枠を越え、BI(ビジネスインテリジェンス)やデータ分析、それに予測分析を把握するのに適した素材である。

 過去半年ほど、我々のチームメンバーは出張やプライベートの旅行で、のべ5大陸18ヵ国、および米国の12の州を訪れた。スタッフによっては、クレジットカードを新たに作ったり、子どもに独立の準備をさせたり、車をレンタルしたり、家具やスポーツ用品、電子機器などを購入したり、新車市場に参入したり、または医療保険を変更したりした。

 しかし、こうした数多くの接触がありながら、BIツール、データ分析ツールや予測分析ツールはどのプロセスのどの部分からも、何も見抜いてはいなかった。

 いくつかの例を挙げよう。あるメンバーはクレジットカードを新調し、月間使用額のうち約3600ドル分を、別に使っていたカードから新しいカードに移行した。そのメンバーはカードを移行する前、元のクレジットカードを12年間、頻繁に使用し続けていた。

 それにもかかわらず、元のクレジットカード会社はカードの移行から8ヵ月過ぎても、そのスタッフの月間使用額が85%減少したことを見過ごしていた。情報の伝達やアドバイスの時期を逸して顧客を取り逃してしまったクレジットカード会社も、セキュリティシステムに問題を抱えた小売業者と同様に、顧客に対して説明や連絡、または説得などのアクションを起こさなかった。それどころか何の通知もしなかったのだ。

 今年の7月、別のスタッフが日曜の朝にパリで車をレンタルするため、グローバルに事業展開しているレンタカー会社に予約を入れた。仮に社名をシュメルツとするが、我々はこのレンタカー会社を20年来にわたり活用しており、顧客ロイヤリティープログラムでは優良と登録されている。なおかつ同社のグローバルオフィスに電話を入れて予約の確認もしていたにもかかわらず、結果的に予約はキャンセルされてしまった。なぜなら車の受け取り時間から2時間以内に、ダウンタウンにあるレンタカー会社の窓口に出向かなかったからだ。

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