ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
悪魔の対話術 ~ビジネスで「したたか」に成功する~
【第6回】 2008年6月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
内藤誼人  [心理学者]

わざと「無知」を装い、相手に気を許させる

1
nextpage

 古代中国史における著名な軍師の1人といわれる太公望の著作『六韜』には、「聖人マサニ動カントスレバ、必ズ愚色アリ」という戒めがあり、聖人が行動するときは、けっして利口そうな顔つきはしないものだというアドバイスが載せられている。

 これは、「無知を装う」のと同じである。

 相手の警戒を解くには、無知を装うだけでなく、少しばかり愚かそうに見えることも必要なのだ。

 ぼんやりしている、トンチンカンなことを言う、文書には誤字がある、質問されてもすぐに応答しない、何もないところでつまずく、などの行動をとっているなら、相手は自然とあなたへの警戒心を解く。

 「エリートだと聞いていたが、意外に抜けているところもあるんだな」

 そう思わせることが大切である。少し間の抜けたところがあるからこそ、人間くささを感じさせることができ、親密感を高められるからだ。

人はおっちょこちょい
な人に気を許す

 ある心理学の実験によると、完ぺきに見える人が、わざとコーヒーをこぼすなどの少々だらしないところを見せると、かえって好意を抱かせる効果があることがわかった。私たちは、おっちょこちょいな人に対して、親密感を覚えるのである。

 19世紀に活躍した文人・政治家のチェスターフィールド卿の言葉に、

 「だれよりも賢くあれ、だが、それを決して悟られるな」

というものがある。やはり、愚かなところを装ったほうがいいと述べているのだろう。つまりは、このテクニックは、洋の東西を問わずに効果的だといえよう。愚かなところをちょっとばかり演出すれば、だれでも気を許してくれて、親しみを感じてくれるのである。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


内藤誼人 [心理学者]

慶応義塾大学社会学研究科博士課程修了。(有)アンギルド代表取締役。現在は、企業研修や講演等で、心理学の法則をもとにした人材育成や販売促進、企画力促進などに力を注いでいる。著書に『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『人は「暗示」で9割動く!』(すばる舎)、『パワーセルフ』(ダイヤモンド社)ほか多数。


悪魔の対話術 ~ビジネスで「したたか」に成功する~

ビジネス成功したいなら「お人よし」になるな!ビジネスに「ズルい」という言葉はない!自分のホンネはさらさずに相手のホンネを一方的に探り出すための「したたか」で「狡猾」な“悪魔の”対話術を伝授する。

「悪魔の対話術 ~ビジネスで「したたか」に成功する~」

⇒バックナンバー一覧