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「3Dプリンタ」と「金型」は“敵同士”ではない!
――業界コンサルタント、トッド・グリム氏に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第44回】 2014年9月12日
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3Dプリンタの高性能化と材料の多様化、普及価格帯製品の低価格化も急速に進み、試作だけでなく、量産部品の製造や医療分野、ホビーの世界などで、3Dプリンティングによるモノづくりが急拡大している。23年間にわたり3Dプリンティング業界に関わり、技術とビジネスの発展を見てきたトッド・グリム氏は、ここ数年の市場の盛り上がりと、3Dプリント技術の将来像をどう捉えているのか。世界的大手3Dプリンタメーカーであるストラタシス日本法人のストラタシス・ジャパンと雑誌「日経ものづくり」が主催した、3Dプリント利用者向けの会議にあわせて来日したグリム氏に単独インタビューした。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)

“3Dプリンタ革命”は起きていない
着実な進化が自然な流れを起こしているだけ

トッド・グリム
(Todd Grimm)
T.A. Grimm & Associates社代表。アディプティブ・マニュファクチュアリング(AM:積層造形)、3Dプリンティング業界で23年の経験があるベテラン。コンサルタント、ライター、著者、講演者、編集者、および顧問としての業績により、TCT Magazineによる「AM業界でもっとも影響力のある20人」に選ばれた。3Dプリンティング協会の創設時からの顧問として活動。現在はAM業界のコンサルティング、広報を行うT.A. Grimm & Associates社の代表、およびアディプティブ・マニュファクチュアリング・ユーザー・グループ(AMUG)の取締役会顧問も務める。Photo:DOL

――ここ数年、3Dプリンティングがにわかに注目されている理由は?

トッド・グリム(以下:グリム) まず、3Dプリントによって出力されるものへの需要が増えている。消費者の関心が高まっていることもあるだろう。それと金融資本による影響が大きい。

――「金融資本」というのは?

グリム 研究開発に対する投資、政府の援助、さらにストラタシスのような企業が3Dプリント技術をもつベンチャーへ積極投資をして、技術開発を後押ししている状況だ。

――解像度など、3Dプリンタの基本性能の向上は急激に進んでいるのか。

グリム よく“3Dプリンタ革命”“破壊的イノベーション”などと言われるが、私はこの考え方は短絡的すぎると考えている。3Dプリント技術によって、既存の製造方式が5年で10分の1に縮小するなどということは起きない。

 3Dプリンタ技術にしても、長期的には、これから大きな発展期もあれば低迷期もくるだろう。そうした波を経ながら技術が進化すると考えるのが自然で、その過程で投資が集まり、さらに技術が進化していくということだ。

 現在の状況は、活発なM&Aによって技術開発の環境をよくしていると言えるだろう。いい技術・製品を持っていてもその製品を開発する現金を持っていないような企業に対して、ストラタシスのような会社が資金を入れる「薪」のような働きをしている。いまの3Dプリンタ業界にとって、M&Aは重要な役割を担っていると考える。

――その一方であなたは、3Dプリント業界の未来は、業種別などに専門特化したシステムと企業が出てくる可能性もあると語っている。

グリム 現在リーダーとなっているいくつかの企業に対して、さまざまなセグメントで新しい企業のチャレンジが行われるだろう。ただ、そのチャレンジが成功して逆転が起きるのか、予想は難しい。

 現在のリーダー企業も、複数のカテゴリに対してラインナップを確保するために開発を続けている。大手によるベンチャーのM&Aが盛んな一方で、大手対ベンチャーの技術競争も同時に行われていく。正常な進化過程には、そういうことが起きる。

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