「理に適っていること」にひとひねり加える

 2004年、ジョナは友人たちとリトルミスマッチ社を立ち上げた。

 最初の商品は女の子向けの靴下で、左右で柄のちがう靴下を3つ1セットで売り出した。キャッチフレーズは「どれもちぐはぐ、だけどそこがチャーミング」。リトルミスマッチ社は「創造性と個性をコンセプトに、自己表現する人々を応援する、楽しいブランドをつくろう」という発想から始まり、現在では、服やアクセサリー、パジャマ、寝具、家具、書籍まで手がけるようになっている。

 ポイントは、ジョナが友人同士の何気ない会話のあと「一呼吸」おいた点にある。立ち止まって心の声に耳を傾けたのだ。ちぐはぐな靴下をはいて自分らしさを表現できるようになったら、女の子たちはどう反応するだろう? 果たして喜んでくれるのか? ジョナは考え続けた。

 ジョナはじっくり時間をかけてそれを温めた。左右同じ柄の靴下をはくのは確かに理に適っているし、異論を差しはさむ余地はなさそうだ。だが、そこにひねりを加えたら、飛び抜けたアイディアが誕生すると考えた人がほかにいただろうか? これは、一呼吸おくことで、斬新な発想が得られた最高の例だ。

 今回で本連載は終了です。ご愛読、ありがとうございました。


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第4回:リトルミスマッチドの創業者 ジョナ<br />ひらめいたら「一呼吸」おいてみる<br />デヴィッド・スタート 著/O・C・タナー・インスティテュート 著/須川綾子 訳  定価:本体1,600円+税

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