・白のドンペリ 5万円
・ピンクのドンペリ 10万円
・プラチナのドンペリ 20万円

 こうした状況に置かれると、たいていのお客さまが真ん中の10万円のピンクのドンペリを選びました。このように、一番高いもの、一番安いものではなく、真ん中を選択しようとする購買心理の法則を「ゴルディロックス効果」、あるいは「松竹梅理論」といいます。

 ゴルディロックス効果は、商品に関する情報が少なく、価格の選択肢が2つしかないと約7割の人が安いほうを選び、価格の選択肢が3つになると程度が真ん中のものを選びやすいというものです。

 売りたい商品があるなら、あえてそれより高額でグレードの高い商品と、売りたい商品より安価でグレードの劣る商品を一緒に並べるのです。そうすると、「一番高い物を選ぶのは贅沢すぎる。でも、一番安いものを選ぶと相手にセコいと思われる」という心理が働いて、店側が売りたい真ん中の商品を「ちょうどいい」と、選びやすくなるのです。

 また、先ほど選ばせたい企画書をマーキングする方法をお話ししましたが、選ばせたい企画書は「真ん中」に置くと選ばれやすいのです。これもゴルディロックス効果を活用したもので、両端に置かれたものよりも、真ん中に置かれたものを選ぶ傾向が人にはあるのです。

 また、不動産会社では複数の物件を見せて回りますが、その際には「順番」が大事です。私は「一番高価な物件」→「一番安価な物件」→「売りたい物件」の順番で回るようアドバイスしています。

 これも、人が極端な選択は避け、間をとる、という心理を利用したもの。こうした人の心理を知らないと、「これがオススメですよ」と売りたい物件だけをプッシュして、お客さまに「押しつけがましい」と感じさせてしまったり、「この予算だったら、こういう物件がありますよ」と似たような価格帯やグレードのものをたくさん見せて、「もう少し考えてから買おうかな……」と迷わせてしまったりします。

おとり効果を使って「高い商品」に誘導する

 同じように自分の意図するものを選ばせる心理テクニックに、「おとり効果」があります。たとえば、ポップコーンの価格が、

・Sサイズ 200円
・Lサイズ 1000円

だと、多くの人は「Lサイズは高いし、食べきれないかもしれない」という理由でSサイズを選びます。しかし、ここにMサイズを設けて適切な価格設定を行うと、Lサイズに誘導することができます。