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ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦

「香港デモの黒幕は、米国である!」
ロシアで流れる「米国陰謀論」の信憑性

北野幸伯 [国際関係アナリスト]
【第7回】 2014年10月28日
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「香港のデモは米国の陰謀」。日本人には信じがたい話だが、ロシアでは、これが「定説」だ。単なる独裁国家のウソなのか、それとも多少なりともウォッチする価値のある説なのか?――。独裁国家であるロシアや中国のみならず、実は欧米も「大ウソプロパガンダ」を繰り広げている。つまり、自分たちに都合のいい情報を流しているのだが、一方で敵のダークサイドはバンバン報道することが奨励されている。ここに着目すれば、意外な「真実」が見えてくることもある。

 「朝日をつぶしてしまえ!」――。慰安婦問題をめぐる「誤報」で、大バッシングにあっている朝日新聞。モスクワ在住の筆者が日本の友人・知人に聞くと、かなりの割合で「朝日はつぶすべきだ!」という答えが返ってくる。そんな反応を聞くと、筆者は「日本はまだまだ健全だな」と思う。

 日本人の立場からすると、朝日のしたことは「ひどい」。いわゆる「誤報」のせいで、日本は、「韓国人女性を20万人強制連行し、性奴隷にした野蛮な国」という汚名を着せられてしまった。だから、ウソに激怒する国民の反応は健全である。

 しかし、実をいうと、ウソをつくのは朝日新聞だけではない。世界を見ると、「客観報道」など存在していないことがわかる。独裁国家の中国、ロシアだけでなく、米国でも欧州でも、「大ウソプロパガンダ」が行われているのだ。

国家はみんなウソつき!?
客観報道は本当に存在するのか

 「世界に客観報道が存在しない例」は、山ほどある。そもそも「客観報道が存在している」のなら、ある事件について、全世界どこでも似通った報道内容になるはずである。ところが「国」や「地域」が違えば、同じ事件に関する報道内容は、かなり違ってくる。それどころか、二つの国でまったく正反対の結論が定説になっていることも、珍しくない。

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北野幸伯 [国際関係アナリスト]

きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。


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ウクライナ問題などで欧米に楯突き、“反逆者”となったプーチン・ロシア大統領。しかし、ロシア側から物事を眺めれば、ウクライナ問題で暗躍する欧米側の思惑など、日本で報道されている“事実”とは異なるものが見える。気鋭の国際関係アナリストがモスクワから、欧米vsロシアの真相を解説する。

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