(1)部下の成長を妨げてしまう。
~ほめるだけでは、人は伸びない~

 そもそも仕事においては、失敗から学ぶことのほうが多いでしょう。
 自分で実際にやってみて、あるいは失敗して初めて、「仕事をする上で自分に不足している点は何か」「今後、身につけるべき力は何か」をリアルに受け入れることができるのです。

 ところが若く未熟な時期は、不足どころか、自分が失敗していることにさえ気づかない場合が多々あります。失敗していることが明白であるにもかかわらず、本人は「自分は仕事ができる」「まわりが悪い」などと勘違いしているわけです。

 部下を育てる立場にあるあなたが、叱りによってミスや不足があることを気づかせ、反省を促しながら力を伸ばしてあげなくてはいけません。

「ほめるだけではダメなのか? わざわざ叱らなくても」と思った方もいらっしゃるはずです。セミナーや講演でもよく聞かれます。確かにほめることで、仕事への意欲をかきたてることはできます。しかし、自身の不足を認識させ、改善の必要性に目覚めさせるのは、叱ることでしかできません。