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部下が育つ叱り方
【第1回】 2010年10月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
本間正人 [成人教育学博士]

「叱る」とは“責任追及”ではなく“改善提案”
効果的に叱れば部下は伸びていく

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相手を一方的に責めていませんか?

 最近、企業の管理職や監督職を対象とした研修で、部下の指導・育成に関するテーマが非常に増えています。これは、業務遂行に関する知識や専門的な技能もさることながら、人間関係に関する能力を高める必要を感じる人が多いからでしょう。

 しかし、人間関係に関しては、こうすれば必ずうまくいくという「魔法の処方箋」があるわけではありません。経験の中で学び、磨きをかけていく努力を続けていくことが、マネジメント能力を高める「王道」と言えるでしょう。逆に「近道」はないのです。

 言葉や態度というのは非常に微妙なもので、同じ指導をしているつもりでも、責められていると感じたり、支援してくれていると感じたり、と、相手の受け止め方はさまざまです。それだけに、管理職としては、部下にどういう言葉をかければよいか、どのタイミングでどういう接し方をすればいいか、ということをつねに考えるものです。特に、部下を叱らなければならないとなると、頭を悩ませることでしょう。

 しかし、管理職の中には、「叱る」ことの意味を誤解しているために、「叱れない」「叱り方が分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

 本連載では、「叱りの技術」を「コーチング」というコミュニケーション・スキルの考え方をベースにしてとらえていますが、その基本は、「人間の個性を尊重し、伸ばしていく」という考え方です。相手を責めたり、人格を攻撃したりするのではなく、部下の可能性を引き出し、伸ばしていく発想です。私は過去の著作の中で、「ほめ活かし、ほめ育て」の重要性を強調してきました。「ほめる」と「叱る」はアクセルとブレーキのような関係にあり、両者のバランスが取れて、初めて効果的な指導が可能になると思います。

 「コーチング」というと「とにかく相手をほめること」だと考えている人が少なくないようです。そのうえ、「叱る」ということを、相手に対して一方的に怒ったり、責めたりすることだと誤解していると、「コーチング」と「叱る」ことが対極に位置するものに見えてしまいます。実はそう考えている方こそ、本連載を読んで「叱る」こととは何かを知り、相手をよりよい方向に導くための効果的な「叱り方」を身につけることが大切ではないかと考えています。

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本間正人 [成人教育学博士]

1959年東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒業後、松下政経塾で松下幸之助の経営哲学を学ぶ。卒塾後、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学博士、 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局日本室長、松下政経塾研究部門責任者などを歴任し、現在、NPO法人学習学協会代表理事、帝塚山学院大学客員教授、NPOハロードリーム実行委員会理事などをつとめる。企業や地方自治体の管理職研修を担当しつつ、教育学に代わる「学習学」の構築を目指して、研究・講演活動を展開している。主なテーマは、コーチングの他、キャプテンシップ(プレーヤーとしてのリーダーシップ)、個人と組織の学習、戦略プランニング、創造力開発、学習スタイルなど多岐にわたる。NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」の講師などを歴任。コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉などの著書多数。
ホームページ「らーのろじー株式会社」


部下が育つ叱り方

「コーチング」というと「とにかく相手をほめること」だと考えている人が少なくないようです。そのうえ、「叱る」ということを、相手に対して一方的に怒ったり、責めたりすることだと誤解していると、「コーチング」と「叱る」ことが対極に位置するものに見えてしまいます。効果的な「叱り方」を身につけ、実戦しましょう。

「部下が育つ叱り方」

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