こんにちは。前回に引き続き、ここ数年で急速に成長している「ビッグデータ」に関し、「その大きな勘違いと、正しい使い方」について解説してみたいと考えています。
「ビッグデータ」を処理する機能として、高価な「磁気ディスク装置」と「高速コンピュータ」(またはそれらが一体化した「アプライアンス製品」)があります。これらの導入に関しても、目的に沿って、適切なアプローチを判断するべきです。
ビジネスデータ分析の
3つのアプローチ
まず、データ活用の目的を、以下のカテゴリーに分類してみたいと思います。
(1)一部を分析し、その結果をもとに、全体に対し施策を打つもの
(2)全体を分析し、その中から少数の最適解を求めるもの
(3)全体の中から、特定の何かを見つけ出すもの
(1)は、従来から行われてきた、「データベースマーケティング」に代表されます。十分に有為差が出るサンプルから傾向を分析し、同様の傾向を持つ方々をグルーピング(セグメンテーション)し、それぞれのグループに最適な刺激を与え、効率性の高い反応を導くもの、というものが最も一般的だと思います。
(2)は、これも従来から行われてきた、需要予測やそこから展開される生産計画、部材調達などが代表的な事例です。また、札幌から鹿児島までの走行ルートを、通行時点での道路事情(混雑、工事などなど)を分析し、最適なルートを予測するといったことも、これにあたります。
最近の事例で言えば、「センサーをトラクターに搭載し、土の状態や穀物の生育状況をクラウドに送信して分析をし、最適な水や栄養の供給を自動コントロールする」とか、「電子タバコがクラウドに接続され、一人ひとりの吸い方を感知、分析をし、最適な煙の量を制御する」、などといったものにも使われています(これらに関しては、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という回で、もう少し詳しく触れたいと思います)。
(3)は、例えば「テロの犯人を、大量の監視カメラの映像から画像認識技術を駆使して見つけ出し、逮捕に結びつけた」といったもので、分析系とは異なりますが、ビッグデータの大きな価値の1つだと思います。
ビジネスのシーンで言えば、例えば「不具合が発見された部品ロットから、生産ラインを特定し、それに関連する完成品がどこに出荷され、どの販売拠点に展開されているかなどを、瞬時にトラックする」などに適した手法だと思います。