スマートエイジングライフ
【脂肪肝編】 2014年12月18日
渡邉芳裕
著者・コラム紹介バックナンバー

肥満とアルコールだけが原因じゃない!
「脂肪肝」を引き起こす“ダイエット”の危険性

――日本大学医学部消化器外科・高山忠利教授に聞く

 現在、日本では、健康診断を受けた人の20%は脂肪肝であるという統計データが出ています。実に、受診者の5人に1人は脂肪肝ということになります。男女別で見ると、男性が40歳前後、女性は40歳以降で、3:1で男性のほうが多くみられます。つまり、脂肪肝になるリスクが最も高いのは、“働き盛りの中年男性”といえるのです。

三大原因は肥満、酒、ダイエット
お酒を飲まない人の脂肪肝も増加中!

――脂肪肝になってしまう原因はどこにあるのでしょうか。

 脂肪肝の原因は大きく分けて3つあります。まず1つめが、食べ過ぎと運動不足が原因の「過栄養性脂肪肝」。最も多いのがこのタイプで、とくに、肥満傾向にある人は要注意です。運動もせずに暴飲暴食の食生活を続けていると、肝臓にどんどん脂肪がたまっていき、約3ヵ月もすれば脂肪肝になってしまいます。また、このタイプの脂肪肝には、糖尿病が潜んでいる可能性もあるので、病院などでチェックすることをおすすめします。

 2つめは、お酒の飲み過ぎが原因の「アルコール性脂肪肝」です。アルコールは度数にかかわらず、飲み過ぎると肝臓に大きな負担をかけます。体内で完全にアルコールを分解するのにかかる時間は、清酒2合なら7時間以上、ビール1本でも最低4時間が必要といわれています。また、「日本酒を毎日3合以上飲み続けると、1~2年で脂肪肝になる」というデータもあるように、お酒は脂肪肝の大きなリスクファクターなのです。

 ちなみに、節度ある1日の飲酒量をご紹介すると、ビールならば中ビン1本(500ml)、ワインならばグラス2杯(200ml)、清酒ならば1合(180ml)、25%の焼酎ならば0.5合(90ml)、ブランデーやウイスキーはダブル1杯(60ml)とされています。この範囲ならばアルコールによる肝障害のリスクは低いと言えます。ただ、アルコール代謝には個人差があるので、もともとアルコール代謝が弱い人は、缶ビール1本でも飲み過ぎという場合もあります。そのため、どれだけ飲んだかを気にするよりは、二日酔いになるまで飲んでしまう生活を続けないことが大切です。二日酔いは、肝臓がアルコールを処理しきれずに、悲鳴を上げている状態であることを覚えておいてください。


40代からの健康のツボ

働き盛りの40代。しかし30代までとは違い、忙しいのに無理が効かなくなるなど、体の不調を感じ始めている人も多いのではないでしょうか。この連載では40代になったら特に気にしておきたい疾患、病気をご紹介。早い時期から健康寿命を延ばすための体の付き合い方を、各分野のトップを走る医師に伺います。
 

「40代からの健康のツボ」

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