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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

「からまる女子」と「前髪パッツン女子」の大増殖が教えてくれること

シンデレラストーリーでも、王子様はもう要らない!
「女だけの生態系」を作りはじめたイマドキ女性たち

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第127回】 2014年12月24日
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 早いものでもう年末である。毎年、この時期になるとテレビや雑誌などさまざまなメディアが今年の流行の総決算や来年のトレンド予測を発表する。マーケティング屋という職業柄、僕もこれらのトレンド解説や予測記事はチェックするが、「なるほど」と思わせるものは案外少ない。

いまを読み解く重要なキーワード
「非突出系」と「からまる女子」

 そのなかで、発売中の『日経エンタテインメント』(2015年1月号)(以下、日経エンタ)の「キーワードで読み解く2014年」は、なかなか示唆に富む記事だった。同記事では2014年のキーワードとして「からまる女子」「オジ知る系」「非突出系」の3つを挙げている。

 「オジ知る系」というのは、テニスとかプロレスとかヘヴィメタルとか、いまのオヤジ世代が若い頃に熱中したスポーツや音楽などが、またまたブームになっているということ。

 「非突出系」というのは、とにかく目立たないことがよいという価値観のことで、たとえば、今年大ブレイクした『妖怪ウォッチ』の主人公の少年・ケータはいつもテストで70点を取る。「ドラえもん」の主人公であるのび太がいつも0点を取るのと比べて、この「70点」というのは絶妙な設定で、つまりイマドキの子どもは100点でも0点でもクラスのなかで目立つからダメであり、目立たない70点、言ってみれば平均点を取ることがクラスのなかでいじめの対象にならないために重要らしい。これがいまの子どもたち、そして若者や大人にも蔓延している空気感であるということだ。

 この「非突出系」というのは、いまの時代を読む非常に重要なキーワードだと思うが、僕が注目したのは「からまる女子」である。「からまる女子」というのは、女性同士が絡む物語が今年は受けたということで、その代表例が今年大ヒットした映画『アナと雪の女王』。これは姉妹が絡まる話だ。

 またドラマでは、NHKの朝ドラ『花子とアン』も女子が絡まるお話。さらには、沢尻エリカ主演のフジテレビドラマ『ファーストクラス』。直近のシーズン2では視聴率があまり芳しくなかったが、春に放送されたシーズン1が若い女子を中心に話題を呼び、コアなファンを獲得した。これも、ファッション雑誌やアパレルブランドを舞台に女同士が足を引っ張り合うという、悪女たちが絡まりまくるドラマである。

イマドキのシンデレラ物語は
女同士の世界で完結

 僕もここ数年、女子の恋愛に対する価値観は世間が思っている以上に低下していると指摘し続けているが、「からまる女子」はそうした恋愛価値のデフレ現象と密接に関連している。

 「からまる女子」の大ヒット例としてあげられている『アナ雪』にしても、王子との結婚やアナを助ける山男など、男性も多少は絡むが、この物語の本筋はアナとエルサの絡みであり、実は女性のキャリアの物語であり、成長物語である。王子も山男も完全な脇役で、山男に至っては男性である必然性すらない。アナを助けるのが男性でなくても、女性でもいいし、なんならトナカイなどの動物とか岩石とか木の妖精とか、人間である必要もない。すなわち『アナ雪』とは、「男子不要の物語」なのである。男性がいなければ成立しない恋愛物語、シンデレラ物語とはまったく別モノだ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

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