開眼!ストーリーとしての論理的思考

――思考整理のツールとして“方眼ノート”に行き着いたのはなぜなんでしょうか。

高橋 じつは、私自身、もともと思考整理が苦手だったんです。
 そのため、ロジカルシンキング、図解思考、マインドマップなど、ありとあらゆる思考整理ツールを学んできました。その一方、一流の師のもとで、徒弟制度のような厳しさの中で、徹底的に思考整理力を鍛えてきました。
 その後、ロジカルシンキングやマインドマップを法人企業で教えるようにもなり、結局行き着いたのが、外資系コンサルタントが徹底しているように「道具から入る」「型にはめる」の2つのことだったのです。

 2万人以上の方にノート指導をしてきて、頭がいい人の使う「道具=方眼ノート」と「型=黄金の3分割」を徹底してマネするのが一番の近道だったのです。

――読者にとっても“方眼ノート”は具体的かつ敷居の高くない条件ですね。

高橋 本を読んだ後、読者の方が「とりあえず方眼ノートを買ってみよう」と気軽に行動に移してもらいたかったのです。これなら、誰でも、必ずできます。そして、この「方眼ノートを買う」という「最初の一歩」を踏み出すところから、その人の「ノートとのつきあい方」が根本から変わり始めて欲しかったのです。

――ちなみに、今まで読まれたビジネス書の中で感銘を受けたものはなんでしょうか。

高橋 バーバラ・ミント『考える技術・書く技術』ですね。ピラミッド・ストラクチャーという思考メソッドについての本ですが、そこに流れるバーバラ・ミントの「思い」や「設計思想」のようなところに強く惹かれました。

 私流にいえば、それは「ストーリーとしての論理的思考。思考の出口は、相手の人が欲しくてたまらないひとつの物語(ストーリー)を見せてあげて!」というものでした。以来、物事を考える、プレゼン資料をつくるときなどに、私はこの「原点=ストーリーとして論理思考」を大事にしています。