世界で本当に評価されている企業は?
ベストグローバルブランドの素顔
「グローバル時代」と言われて久しいが、実際のところ日本企業は、グローバルでどれくらいのブランド価値があるのか。企業の社員や投資家にとって、気になるところだ。
このたび、その目安となる興味深いデータが紹介された。世界最大のブランディング会社であるインターブランドが2月12日に発表したブランド価値ランキング「Japan’s Best Global Brands 2015」(日本のグローバルブランド Top 30)である。このランキングは、グローバルな事業展開を行う日本発のグローバルブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするものだ。企業の「真の価値」がわかると言ってもいい。
今年で7回目となるこのランキングの対象基準は、日本初のブランドであること、各種の財務諸表が公開されていること、ブランドを冠する事業の日本以外の海外売上高比率が30%以上であること、B to B企業であってもグローバルで一般に認知されていることなどだ。
こうした条件に沿って抽出した企業ブランドを対象に、(1)財務分析で企業の生み出す利益の将来予測を行う、(2)利益のうちブランドの貢献分を抽出しブランドの役割分析を行う、(3)ブランドによる利益の将来の確実性を評価するという、主に3つの分析を基に「ブランド力」を分析し、ランキングにしている。今年のランキング結果は、次の表の通りとなった。読者にとって「イメージ通り」のブランドもあれば、「意外」なブランドもあるかもしれない。
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では、このランキング結果から読み取とれる「日本企業のブランド力」のトレンドはどうなっているのか。また、ランキングに顔を出した企業のブランドはどこがスゴイのか。インターブランドジャパンを率いる和田千弘・代表取締役社長CEOの分析を交えながら、紹介して行こう。
まずランキング全体の傾向を見ると、日本のグローバル企業のブランド価値合計金額は、昨年調査の対前年比6%増を大きく上回り、対前年比15%増(約138242 million USドル)と大幅増を達成、調査開始以来最高を更新した。昨年に引き続き、米国などの先進国の景気回復、円安といった外部環境が改善した影響が大きい。日本企業のブランド価値がここまで大きくハネ上がっていることには、驚かされる。