経営 X 人事

異動という成長機会を
有効活用する4つのポイント

 この連載記事を読んでいただいている方には、人事部門の方が多いと思います。
 そして、多くの会社の人事部門が、人事制度企画や労務、給与社会保険、人材採用、人材育成など、ある一定の職務範囲ごとにチーム編成されているでしょう。
 では、人事異動はどのチームで担当されていますか。

 ここで唐突に人事異動という話題に触れたのは、本ブログの主要テーマである「人材開発」にとって、とても重要な要素だと考えているためです。

 人事権を事業部門が持っている場合や、人事部門が人事権を持っている場合など、前提条件によって、人事異動の担当チームはさまざまかと思います。

 ただ、どのチームが担当している場合でも、社員の成長に“実践の場”が何よりも大きな影響を持っている以上、人事異動については、しっかりと人材開発の観点を持ったうえで、意図的かつ効果的に進める必要があります。

 このような背景から、人材開発と人事異動というキーワードを軸に、今回は考えてみたいと思います。

何のための
人事異動か

 そもそもなぜ、人事異動をさせるのでしょうか。

 「適材適所実現のため」という言葉か最初に浮かぶ方もいるかと思いますが、もう一段深掘りして、なぜ“適材適所”が必要なのか、考えてみましょう。

 会社側の理由には、個人が能力を最大限に発揮できる環境を与えることで、本人のアウトプットが最大化し、組織としての成果も最大化させることができる、というものがあると思います。

 社員の立場からは、自身のキャリア形成など、成長するための機会として重要なイベントだと考えられます。

 もちろん、ポジティブな意味合いだけではなく、社員個人の働き方に制限が発生した場合の対応策としても、人事異動という方法で対応されるケースもあります。

 また、評価結果として、実力とポジションに乖離がある(期待値に達していない)と判断された場合にも異動は発生します。

 後者の場合は一見、ネガティブな印象を受けますが、これも適材適所の配置をすることで、本人の実力を発揮できる環境、再チャレンジの機会を与えるものに他なりません。会社側が再チャレンジを受け入れる意思があることが大前提ですが……。

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藤井久仁子

1968年、大阪府生まれ。1991年、大阪教育大学教育学部卒業、ロイヤルホテル入社。人事部にて採用、教育、制度企画、労務など幅広く携わる。社会人10年目に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ。開業準備の段階から人事担当者として参画。エムティーアイ人事部長、人材開発部長を経て、2013年から現在のアバントにて勤務。2010年3月グロービス経営大学院(MBA)修了。

 


人を育てる会社の人事

老舗ホテル、アミューズメントパーク、ITと、様々な業界で長年にわたり幅広く人事に携わってきた藤井久仁子氏。その知見をもとに、経営に資する人事を実現するための、人事パーソン自身の成長について語る。

「人を育てる会社の人事」

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