占いに頼りたくなることはないでしょうか?

 あなたは占いを信じますか?それとも信じませんか?

 現在、占い市場は1兆円規模とも言われる巨大市場。もはや誰もがいつでも利用することができる身近なものです。何気なく星座占いのアプリをダウンロードして利用している人は少なくありません。実際、朝の情報番組や雑誌などで、「ドラッグストアで、気になっている新商品を1つ選んで買ってみましょう」などと紹介されている運気アップのアドバイスを実行したことはないでしょうか。

 占いとは、様々な方法で運勢や未来など判断すること。誕生した生年月日や姓名に加えて、生まれた場所などの要素も加えることによって、人生の傾向や流れを占います。四柱推命や星座占いなど手法は様々。その占いが仕事の悩みを解消・解決してくれた経験を持つ人は、かなりいらっしゃるかもしれません。ただ、占いを信じすぎ、周囲の同僚や部下たちを振り回す人がいたら……どうでしょうか。今回は占いを仕事に活かすことの善し悪しについて考えてみたいと思います。

軍師といえば黒田官兵衛と思いきや…
昔の戦術は「占術」頼みだった!

 昨年の大河ドラマの主人公だった黒田官兵衛は、戦国時代の軍師でした。当方もドラマを欠かさずみていましたが、豊臣秀吉が天下を取るまで、水攻め・兵糧攻めなど様々な戦いのバリエーションを繰り出し、無敗の強さを誇った人物です。

「相手の心理を読み 奇襲の裏をつく奇襲」で誰もが恐れる存在で、このドラマを通じて「軍師と言えば黒田官兵衛」と言っていいほど、武将に仕えて戦略や戦術の秘策を献言する人として認知が広まりました。ただ、軍師の仕事は官兵衛のようなスタイルが普通ではなかった時代が長かったようです。官兵衛以外で軍師と呼ばれる人物の大半は、戦略や戦術を立てるより占いや祈祷といった呪術的な仕事で武将に仕える存在であったと言われています。

「殿、攻めるならこちらの方向から行くべきです」

 と、出陣に際しての日時や方角の吉凶を占ったりするのが彼らの役目。あるいは何か縁起の悪いことが起これば、「御祓い」と戦略・戦術ではなく「占術」をしていたようです。ゆえに、歴史的な軍師には僧侶が多かったのかもしれません。それだけ、戦いの勝敗が占いに託されていたのでしょう。