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山崎元のマネー経済の歩き方

社債は個人に向いた投資対象ではない

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第86回】 2009年7月27日
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 ここのところ、個人を主な消化対象とした社債の発行が増えている。「個人向け社債」という言葉もある。個人向け社債の発行主体は、事業会社の場合もあるし、メガバンクを含む銀行の場合もある。銀行の場合は、劣後債であることが多く、返済順位が一般債権よりも劣後するが、預金よりも明らかにいい利回りになっている。発行主体の信用度合いや条件によってまちまちだが、2%台後半くらいから5%前後くらいのものがあって、預金や国債よりは、見かけの利回りには魅力がある。

 株価の変動のようなかたちでリスクを気にせずに、この程度の利回りが得られるなら魅力的だと考える個人がいるかもしれない。実際に人気を集めている銘柄もある。

 しかし、一般論として、社債は個人のおカネの運用対象として適当だとは思えない。

 理由は、おおまかに3つある。

 まず、社債投資で直面するリスクである「信用リスク」の判断と扱いが個人には難しいからだ。ここ数年の経験からいっても、大企業や大銀行でも、格付けや社債利回り、あるいはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)で見る信用度合いは意外に大きく変化しているし、デフォルト(債務不履行)が絶対ないだろうといえる会社などない。しかも、デフォルトが起こった場合の損はいきなり大きなものになる可能性がある。

 格付け会社が発表する格付けはあるが、率直にいって、発行体から格付け料をもらう現在の格付け会社のビジネスモデルでは信用できないし、格付け自体がよく変動していて頼りない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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