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持続的成長への挑戦:組織の自己変革力とは何か

19万人企業に「褒める文化」を根付かせた
ヤマトの「満足BANK」に学ぶ風土変革の極意

ヤマトホールディングス社長・木川眞×松江英夫 対談(後編)

松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]
【第2回】 2015年3月20日
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構造改革を経て多くの日本企業が過去最高益を記録している。とはいえ、未来に目を向ければ「持続的成長の実現」は依然として大きな課題だ。そして、持続的成長を可能にする鍵は、時代を先取りして自らが変革し続けることができるかどうか、すなわち組織の「自己変革力」である。
多数の企業変革に関わってきたデロイト トーマツ コンサルティング パートナーの松江英夫が、経営の最前線で果敢に挑み続ける経営トップとの対談を通じ、持続的成長に向けて日本企業に求められる経営アジェンダと変革の秘訣を解き明かす。
連載第2回目は、かつては「鍛える文化」だったというヤマトに「褒める文化」を根付かせた「満足BANK」の仕組みと、組織が変わり続けていくために必要なものは何なのか、ヤマトホールディングスの木川社長に聞く。

【風土変革】
鍛える文化から褒める文化へ「満足BANK」という仕組み

松江 御社には「満足BANK」というものがあると伺いましたが?

木川 眞(きがわ・まこと)
ヤマトホールディングス代表取締役社長 社長執行役員
1973年、富士銀行(現:みずほフィナンシャルグループ)に入行、2004年みずほコーポレート銀行(現:みずほ銀行)常務取締役に就任した後、05年3月に退社。同年4月にヤマト運輸入社、同社常務取締役、ヤマトホールディングス代表取締役常務、ヤマト運輸代表取締役社長を歴任し、11年4月より現職。

木川 「満足BANK」を導入したのは「褒める」風土をつくるためでした。今までは、うちは鍛える文化でした(笑)。鍛えてこそ社員は育つという文化だった。でも褒められて嫌な気持ちになる人はいません。世代もどんどん変わってきているので、掟を破って褒める仕組みをつくった。これが「満足BANK」です。

 イントラネットに記名式で誰が誰を褒めたか、その理由は何かが全部見られるのです。最初、「俺を褒めろ」という上司が出てこないかと心配しましたが、そういうことはまったくありませんでした。

松江 この仕組みはすごいと思いました。もともと木川さんの発想ですか。

木川 「褒める文化」と言ったのは事実だけど、ある幹部社員が仕組みを考えてきて「社長、これでやりましょう」と言ってきた。それで「おもしろい、やろう」と。当時、古い友人でもある著名なコンサルタントに話したら、「14万人もいる会社で、そんなことできるわけない」と一笑に付された。

松江 それは面白い話ですね(笑)。でもこの規模でやるのは本当にすごいと思います。

木川 中小企業では「いいことを見える化」と「お互いに褒め合う」ことはありますが、この規模では少ない。我ながら仕組みとして定着をしたのは画期的だと思います。でも、褒めるのは意外に難しい。叱るのは自分で思ったことをそのまま表現すればいいから簡単ですが、相手のことをに関心を持ってよく見ないと、きちんと褒めることができません。

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松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]

デロイト トーマツ コンサルティング パートナー Strategy&Operationsリーダー。中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授(「実践・変革マネジメント論」)、事業構想大学院大学客員教授。「経営変革」に関わる戦略・組織領域のテーマ(成長戦略、M&A、イノベーション、グローバル組織再編)などを多数展開。主な著書に『自己変革の経営戦略 - 成長を持続させる3つの連鎖』『ポストM&A成功戦略』、共著に『クロスボーダーM&A成功戦略』(いずれもダイヤモンド社)など。

 


持続的成長への挑戦:組織の自己変革力とは何か

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