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弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く

NOVA支援企業が直面するこれだけの難題

永沢 徹 [弁護士]
【第4回】 2007年11月7日
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 会社更生法の申請を適用した英会話教室最大手NOVAの、支援企業探しが大詰めを迎えているという。NOVA再建の課題はどこにあるのか。破綻企業における「スポンサー選び」という観点から、NOVA問題を考えてみたい。

 そもそもスポンサー選びというのは、破綻会社の事業を評価し、引き取ってもらう手続きであり、つまりはM&Aである。債権者としては、倒産企業をより高く売りたい。従業員や取引先からすると、より安定した事業体に引き取ってもらい、これまでどおりの雇用や取引関係を維持したい。こうした関係者の利害を引き受ける形で、裁判所に選任された保全管理人(民事再生ならば申立代理人)が、債務者会社を選定する。

 通常の場合は、スポンサー企業はビッド(入札)によって決めることが多い。入札手続きを経て、スポンサーに事業を引き取ってもらい、全ての資産がスポンサー会社に行く代わりに、スポンサー会社が提供する資金を債権者に分配する。

 その意味で、スポンサー選びは非常に重要である。一般的には、1次ビッド、2次ビッドの段階を経る。1次ビッドでは、情報パッケージとして、会社の概要など一般的な情報を入札者に提供し、それを元に、入札企業から入札金額と、支援の仕組みが提示される。これは、支援の形態が、株式の譲り受けなのか、事業の譲渡なのか、あるいは合併や株式交換などその他の手法なのか、さらに雇用環境はどうするのか、といった具体的な仕組みのことだ。

 こうして対価とスキームを提案してもらった上で、入札者が絞り込まれ、2次ビッドに入る。さしずめ予選リーグをクリアして決勝トーナメントに進むイメージだが、2次ビッドに進んだ会社により、デューデリジェンスが行なわれる。

 デューデリでは、データルームに所定の資料が備置され、公認会計士や弁護士を総動員し、資料の閲覧・謄写を行なう。また、マネジメント・インタビューといって、経営者やキーマンと言われる関係者への事業内容のヒアリングも行なわれる。そのうえで最終ビッドとなり、スポンサーとなった企業に対して事業譲渡、株式譲渡がなされる、というのが通常の手順である。

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永沢 徹 [弁護士]

1959年栃木県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格。卒業後の84年、弁護士登録。95年、永沢法律事務所(現永沢総合法律事務所)を設立。M&Aのエキスパートとして数多くの案件に関わる。著書は「大買収時代」(光文社)など多数。永沢総合法律事務所ホームページ


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