3月14日の開業を控えた北陸新幹線。東京~金沢間を最速で2時間28分で結ぶ。多くのホテルや旅館が満室となるなど、経済効果に期待が集まっているが、実際には地域ごとに温度差があるようだ。
長野県や岐阜県にも恩恵!
観光客を呼び込むPR合戦が過熱
全席指定で停車駅の少ない「かがやき」、自由席があり、各駅停車の「はくたか」、金沢~富山間に限定して各駅停車する「つるぎ」の3列車が走る北陸新幹線。所要時間は、東京~富山間は現在より1時間3分短縮され、2時間8分(最速)、東京~金沢間は1時間19分短縮されて2時間28分(同)となる。また、長野~金沢間は2時間25分短縮され、1時間(同)だ。
運行するのは、東京~上越妙高間がJR東日本。上越妙高~金沢間がJR西日本だ。距離の比率はおよそ6:4。収入もこの比率で分け合う。
このほか、七尾線の金沢~和倉温泉間には、豪華な観光列車「花嫁のれん」(10月運行開始)が投入され、第三セクター・のと鉄道は眺めの良い場所で一時停車や徐行運転をするなど、楽しいサービスを提供する観光列車「のと里山里海号」(4月29日より運行開始)を走らせるなど、在来線にもユニークな列車が登場する。
北陸3県はもちろんのこと、周辺の岐阜県や長野県も恩恵を受けるのは確実で、巨大アウトレットモール「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」は、これまで手薄だった北陸からの客を呼び込もうと、金沢や富山でのPRに力を入れている。このほか、岐阜の白川郷や飛騨高山なども新幹線効果が期待できる地域だ。
周辺県にも恩恵があるのなら、北陸3県はさぞ沸いているかと思いきや、意外にも温度差があるのだという。
地図(画像)を見ていただきたい。今回、新幹線が通るのは、富山県の全域と石川県の半分。福井県に新幹線が来るのは、まだ当分先だ。関係者間の前評判は「“加賀百万石”のイメージがあり、駅から近い距離にも観光地がたくさんある金沢の独り勝ち」。富山はスルーされる危険性に焦っており、福井は、金沢からなんとか特急やバスに乗って足を伸ばしてもらいたいと、必死のPRをしている。