ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

単なるムダ時間?職場の「ワイガヤ」は善か悪か

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第16回】 2015年3月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

組織の時間でも、個人の時間でもない
「集団の時間」とは?

職場の“ワイガヤ”。本当に単なる私語?それとも打ち合わせ?
Photo:yuu-Fotolia.com

 外国企業と日本企業の間で合弁企業が作られることになった。外国企業から出向してきた幹部が日本企業から来た社員たちに苦言を呈した。

 「どうしてそんなに私語が多いのかな。もうちょっと真面目に仕事したらどう?」

 注意された日本企業の社員側にも言い分がある。

 「私語といえば私語かもしれないですけど、打ち合わせでもあるんです。こういった情報交換の場で新しいアイデアが出るし、仕事の調整もできる。とても大事なんですよ!」

 企業には、「組織の時間」「個人の時間」「集団の時間」という3つの時間の区分があると思う。

 「組織の時間」は、会社の公式な時間のことだ。たとえば、朝礼や公式な会議、前もって時間を区切られたミーティング、教育研修などがこれにあたる。

 「個人の時間」は、基本として自分一人で仕事をする時間だ。たとえば、文書作成や顧客との連絡、一人で考える時間などがこれにあたる。

 「集団の時間」は、「組織の時間」と「個人の時間」の中間に位置するものだ。いわゆる、ワイワイガヤガヤと周りの人と話し合う「ワイガヤ」である。公式な会議ではないから、「集団の時間」はあるとき突然、始まる。そして、発生地点の近くにいれば巻き込まれて、半強制的に参加させられる羽目になる。その場に偉い人でもいれば、まったく関係のないテーマであっても、そう簡単にはその場から抜け出すことができない。だらだら時間が過ぎていくことも多い。

 話されるテーマも雑多で、純粋な仕事の話の場合もあれば、会社の組織や個人に関する話、社内の噂話。ときどきは大きく脱線して、昨日の野球の話や芸能人のゴシップ話になることもある。「この新しいアプリは面白いよ」と、情報提供的なことが行われることもある。「私語といえば私語だけど、打ち合わせのようなもの」というのは、つまりこういうことだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧