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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「理念なく儲ける会社」に明日はあるか?

~社外取締役就任を断られた会社~

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第17回】 2015年4月13日
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「いくら儲かる会社でも
大義のない会社とは付き合いたくない」

理念のない会社では働きたくない――。年齢を重ねるとそう考える傾向もある
Photo:paylessimages-Fotolia.com

 少し前の話である。

 功成り名遂げたある“偉い方”から、「情報の取り扱いは慎重に」と念押しされた上で相談を受けた。「君もよく知っているA社から社外取締役になってほしい、と言われているのだが…、気が進まない」というのである。なぜかを尋ねると「A社には“大義”がないように見える」という。つまり、「儲かる」「役に立つ」以外のより深い何か。幸せな世の中を作り、技術や社会の発展に貢献していきたいといった「理念」がない、というのだ。

 私は会社の成り立ちや創業者の人となりを丁寧に説明したが、内心、この方の疑念はもっともだと思っていた。正直に言って、その会社のしていること、やろうとしていることに“大義”を感じることとが、私自身できなかったからである。そして結局、この方が社外取締役にはなることはなかった。

 企業に“大義”は必要なのか。これは、非常に大きなテーマである。企業の目的を「利益の追求」であるとする人から見れば、「社会に貢献したい」「より良い未来を創造したい」などというのは単なる綺麗事だ。「大義で飯は食えないよ」というわけだ。それは正しいと言えなくもない。

 しかし、「儲かるビジネスだ」「より便利になった」などと声高に言っても、本当にそれだけしかないと、その企業は長くは続かないのではないだろうか。人はパンのみに生くるにあらず、である。とくに、年齢がそれなりに上がってくると、「社会的意義がない仕事で稼いでも意味がない」とさえ思えてくる。若いときは、ビジネスはゲームであり、ゲームそのものが面白ければ十分に楽しめるのだが、だんだん「意味を感じられないこと」はやりたくないという気持ちが強くなってくるのだ(残念ながら、いまの生活を維持するためにしなくてはならないことはあるものの……)。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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