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笑い合って胸襟を開く
受け手の印象に影響

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第240回】

 不安と期待でいっぱいの新人が登場する季節。管理職にとっても悩ましい時期だ。

 労働安全衛生法の改正に伴い、管理職には労働時間の配分や役割分担・責任の明確化など職場環境の改善のほか、日頃から部下を観察し、必要なら相談に乗るなどの役割が期待されるようになった。

 とはいえ、臨床心理士でもない人間が急にコミュニケーションを深めようとしても、裏目に出かねない。そこで、英国の研究から互いに胸襟を開くための裏技を紹介しよう。それは「笑い」だ。

 同研究では、お互い一切面識がない、大学生112人(男性40人、年齢18~31歳/平均22.43歳)を男女混合の複数のグループにわけ、それぞれ無作為に選んでおいたビデオを視聴させた。視聴前や視聴中の自己紹介や会話などは一切、禁じている。

 ビデオは、1本が英国で絶大な人気を誇るコメディアンのパフォーマンス。もう1本はゴルフのレッスンビデオで、残り1本はBBCの自然ドキュメンタリーシリーズ「プラネットアース」から抜き出した密林の風景だった。

 ビデオ視聴後、被験者は腹の底から笑ったか、ポジティブな気分か、などその時点での感情の状態を測定。また、他のメンバーに対して自己紹介のメッセージを書くよう指示をされた。

 その結果、コメディビデオを見て大笑いしたグループは、他のグループに比べ、無意識のうちにおざなりではない、より親密な自己紹介をする傾向があった。研究者は、大笑いすることで脳内生理活性物質の「エンドルフィン(別名:幸福ホルモン)」の分泌が促されたためだろう、としている。

 興味深いのはメッセージの「受け手」側が「相手は心を開いている」と感じたこと。受け手の印象は案外大事だ。上司が「腹を割って話せた」と思っていても、部下が「上から目線」に感じたら元も子もないのだから。

 さて、職場の人間関係がギクシャクしているな、と感じたら「笑い」を媒介にすると光明がみえるかもしれない。時々、会議室に集まってコメディ映画を一緒に見る、なんてどうでしょう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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