ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

自民党がテレビ局幹部を呼び出したのは本当に「圧力」なのか

窪田順生 [ノンフィクションライター]
2015年5月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

自民党によるテレビ局幹部聴取が「言論の自由を奪う圧力だ」と騒がれている。しかしそもそも、日本の報道機関、とりわけテレビ局に「言論の自由」があるとは思えない。

NHKとテレ朝幹部を呼びつけた自民党
そもそもテレビに「言論の自由」はあるのか

 少し前、自民党がNHKとテレビ朝日の幹部を呼びつけたことを、マスコミ各社が「圧力」だと報じた。NHKは「クローズアップ現代」のヤラセ疑惑だったのだが、物議を醸し出したのがテレ朝だ。

「報道ステーション」コメンテーターだった古賀茂明氏の降板問題で自民党から聴取されたテレビ朝日。そもそもテレビ局に「言論の自由」は存在しているのか?(画像:テレビ朝日より)

 ご存じのように、「報道ステーション」の生放送中に、コメンテーターの古賀茂明氏が自身の降板について、官房長官からの圧力があったなどとぶちまけた件について、自民党の情報通信戦略調査会が対応等の説明を求めたのが、これがマスコミの琴線に触れた。

 「言論の自由脅かすと批判も」(共同通信)、「放送法 権力者の道具ではない」(朝日新聞)、「民主国にあるまじき圧力」(琉球新報)、「ファッショの道へとまっしぐら」(日刊ゲンダイ)…無論、当事者であるテレビ局も黙っていない。日本テレビの社長は「極めて異例なこと」として、「圧力」と思われてもしかたがないという見解を示した。

 たしかに安倍政権の政策やらに首を傾げる部分は多々ある。だが、マスコミが「我々はえらい弾圧を受けていますよ」という被害者面をしていることにはそれ以上の違和感を抱いている。

 ご存じのように、公的性格の強いテレビというのは、放送法(第三条)で「政治的に公平であること」に加えて「報道は事実をまげないですること」が定められている。放送法違反を巡って、過去には国会の証人喚問も、総務省による行政処分もあった。

 さらに言えば、「圧力」というのは、自由な言論を封じるために行われるものである。そう考えてテレビというメディアを見ると、「自由な言論」が担保されているとは到底言い難い。今さら、弾圧だ、ファッショだと騒ぐほどの話ではない。テレビ局がなぜ自由でないのか、詳しく見ていこう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


ニュース3面鏡

インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。

「ニュース3面鏡」

⇒バックナンバー一覧