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【特別企画】脱・勘とドンブリ経営

ファクトベースで検証する出店戦略〈4〉

売上予測の決め手は「通行量」

ダイヤモンド社クロスメディア事業局
【第4回】 2015年6月22日
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新規出店にあたって正しい意思決定をするには、既存店のデータを活用するのが近道だ。だが多くの企業が、その準備段階で過ちを犯している。データ活用の過ちとは、ファクト(データ)の選別と手法である。後者については前回、データの点数化と比較分析のプロセスを説明した。分析手法を見たところで、実際にどうやってファクトを揃えるかを見ていこう。

店舗の実態をどのように計測するか?

――前回解説していただいた店舗データの点数化と比較分析は、信頼できるファクト(データ)があることが大前提です。簡単に言えば、正しいデータを取得するということですが、実際の計測はどのようにして行うのでしょうか。

榎本篤史
ディー・アイ・コンサルタンツ
取締役社長

 どの店舗も、日次、月次である程度のデータは揃えていると思います。日次、月次の売上高や人件費といった財務諸表上のデータはよいとしても、店舗の特性を表すデータに関しては、そもそもデータの使用目的に対し十分な理解がないまま安易な計測が行われているようです。

 たとえば、通行量や交通量を計測する場合、店舗が角地にあるかないか、また幹線道路からの距離など、立地によって計測で重視すべきポイントは異なってきます。これに留意せずむやみにデータを取って、実態と乖離したファクトを前提に議論しているケースが多いのです。

 正しいデータを収集するには、正しい取得法と評価法が不可欠です。そこで今回は、都市型小売流通チェーンの実査シートを例に説明しましょう(【既存店実査シート】をこちらからダウンロードしてご覧いただけます)。

 店舗の実態は、どのようなファクトから読み取れるかを考えてみましょう。まず立地については、店舗前の通行量が必須です。顧客サイドから見れば、店舗が「見える(見えない)」「入りやすい(入りにくい)」といった基準は、入店するかしないかを決める大きな要因となります。今回はこれら3点に絞って説明していきましょう。

1.通行量
 (関連資料【既存店実査シート】の「ポイント規模」)

 顧客の来店手段が主に徒歩である場合は通行量を測定します(自動車であれば交通量)。都市型店舗の通行量には、自転車やバイクも含まれます。

 多くのチェーン店では、「通行量×入店率×客単価×営業日数」から予測売上高を割り出します。私たちのこれまでの経験上、通行量を正確に計測できれば、売上予測の7割達成は固いといえるのです。

 ところが、前回も説明したように、通行量は天候や曜日、時間帯による変動幅が大きく、コスト面も含めて正確な計測はほぼ不可能です。また、入店率はファクトというよりも想定の意味合いが強い数値なので、誤差が大きく出ます。

 より精緻なデータを得るために、年代別・職業別に通行量を測定しているケースもありますが、これも意味がありません。年代や職業を正確な数値として計れるのかという根本的な問題があるからです。

 ではどうすればいいでしょうか。当社では、平日と休日の11時~13時の1時間程度、男女別に測定した通行量を市場規模と商圏の質として捉え、これを売上予測のベースにしています。そして、下の図にあるように、平日の通行量、休日の通行量、通行人の様態をそれぞれ5段階で評価しています。

 通行人の様態の計測では、店舗物件にもよりますが、通行人の「歩く速度」を評価項目に加えたほうがよい場合もあります。歩く速度が遅い通行人が多いということは、無目的の人が多いと判断します。一方、速い通行人が多いほど目的を持った人が多いと見なします。

 

▽関連資料【既存店実査シート】はこちら▽

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流通小売企業の経営者の多くが、出店戦略に頭を抱えている。固定費が高く利幅が小さいという事業特性に加え競争が激しいため、出店戦略の失敗は命取りになりかねない。流通小売の売上向上は新規店と既存店とも高度な戦略性が求められるわけだが、実際は勘と経験に頼ったり、「こうあってほしい」という希望がそのまま需要予測データに置き換わったりして、安易な意思決定が行われている…だが諦めるのはまだ早い。「稼ぐ店舗」を創るためのフレームワークは実にシンプルなのだ。こうした経営者の悩みに最適解を示す。

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