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宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説

上海株式市場の下落より
人民元の国際化を取った中国

宿輪純一 [経済学博士・エコノミスト]
【第14回】 2015年7月1日
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 サムライ債、ショーグン債、カンガルー債、パンダ債、点心債、キムチ債…。これらの債券はすべて実在のものです。債券市場では、外国の発行体(外国政府、国際機関、民間企業等)が発行する債券(外債)のことを、発行地に関連の深い特別な名称で呼ぶ慣行があります。

 サムライ債は聞いたことのある方も多いと思います。これは、日本において発行する円建外債のことです。ショーグン債とは日本において発行する外貨(非日本円)外債、カンガルー債はオーストラリアにおいて発行する豪ドル建債券、パンダ債は中国本土において発行する人民元建債券、点心債は香港において発行する人民元建債券、キムチ債は韓国において発行する外貨(非ウォン)建債券のことです。他にもアリラン債 、ブルドッグ債、ヤンキー債などたくさんあります。

フジヤマ債の発行は人民元国際化策のひとつ

 最近、「フジヤマ債」という名称の社債が発行されました。日本の象徴の富士山にちなんだ名称で、三菱東京UFJ銀行が国内で初めて発行した人民元建ての債券です。今後、他行も続く予定です。あくまでも愛称なのですが、中国が起源で日本の国民食にちなんだ「ラーメン債」、「サクラ債」や「テンプラ債」なども候補として挙がっていました。

 人民元建債の日本における発行は2011年12月の日中首脳会談で合意していましたが発行は遅れていました。13年に発行を始めたシンガポールの人民元建債は「獅城債」(そもそも国名に「ライオンの都市」の意味があり、獅城はシンガポールの別称)、14年に始めた独仏の人民元建債はそれぞれ「ライン債」(ライン川から)、「凱旋債」(凱旋門から)と呼ばれています。

 今回のフジヤマ債では、発行元の銀行が中国で貸し出す人民元を海外(日本)で調達し、中国国内に送金することになりますから、まさに人民元の国際化の一環と認識されます。このように中国は人民元の国際化を着々と進めているのです。

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宿輪純一[経済学博士・エコノミスト]

しゅくわ・じゅんいち
 博士(経済学)・エコノミスト。帝京大学経済学部経済学科教授。慶應義塾大学経済学部非常勤講師(国際金融論)も兼務。1963年、東京生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒業後、87年富士銀行(新橋支店)に入行。国際資金為替部、海外勤務等。98年三和銀行に移籍。企画部等勤務。2002年合併でUFJ銀行・UFJホールディングス。経営企画部、国際企画部等勤務、06年合併で三菱東京UFJ銀行。企画部経済調査室等勤務、15年3月退職。4月より現職。兼務で03年から東京大学大学院、早稲田大学、清華大学大学院(北京)等で教鞭。財務省・金融庁・経済産業省・外務省等の経済・金融関係委員会にも参加。06年よりボランティアによる公開講義「宿輪ゼミ」を主催し、4月で10周年、開催は200回を超え、会員は“1万人”を超えた。映画評論家としても活躍中。主な著書には、日本経済新聞社から(新刊)『通貨経済学入門(第2版)』〈15年2月刊〉、『アジア金融システムの経済学』など、東洋経済新報社から『決済インフラ入門』〈15年12月刊〉、『金融が支える日本経済』(共著)〈15年6月刊〉、『円安vs.円高―どちらの道を選択すべきか(第2版)』(共著)、『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』、『決済システムのすべて(第3版)』(共著)、『証券決済システムのすべて(第2版)』(共著)など がある。
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公式サイト:http://www.shukuwa.jp/    
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「円安は日本にとってよいことなんでしょうか?」「日本の財政再建はどうして進まないのでしょうか」。社会人から学生、主婦まで1万人以上のメンバーを持つ「宿輪ゼミ」では、経済・金融の素朴な質問に。宿輪純一先生が、やさしく、ていねいに、その本質を事例をまじえながら講義しています。この連載は、宿輪ゼミのエッセンスを再現し、世界経済の動きや日本経済の課題に関わる一番ホットなトピックをわかりやすく解説します。

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