経営×総務

JALの現役パイロットが特別指導!
会議が劇的に早く終わるコミュニケーション術

なぜ、言語技術教育が必要なのか?

(写真左)塚本裕司氏 日本航空株式会社 運航本部 運航訓練審査企画部 定期訓練室 室長補佐 調査役 777機長(兼)運航訓練部 777訓練室 飛行訓練教官
(写真右)大久保正明氏 運航本部 運航訓練部 地上教官グループ 調査役 767機長

 JALが言語教育を導入したのは2012年。機長でパイロットの指導も担当している大久保正明氏は「もともと仕事上のコミュニケーションで課題があった」と語る。

 直接的に事故につながるケースまではないものの、訓練でヒヤリとする場面や、現場でも説明が分かりにくいといった事例があったのだ。

 やはり機長でパイロットの指導に当たる塚本裕司氏によると、パイロットとしての訓練のなかで、操縦訓練は「シミュレーター」を通して様々な飛行状況を模擬できるが、「ノンテクニカルスキル」と呼ばれるコミュニケーションに関しては、有効な技術向上の策が見出せていなかったそうだ。

 そういったコミュニケーションスキルを改善する技術を探したときに、つくば言語技術教育研究所の言語教育に行きついたという。同研究所が提唱する「言語技術教育」とは、欧米を中心に普及している“Language Arts(ランゲージアーツ)”を取り入れ、日本人向けに開発されたものだ。企業研修では旭硝子やNEC、日本サッカー協会なども積極的に取り入れている。

 では、言語技術教育では、どんなことが学べるのだろうか。

言語技術教育で学べることは何か?

 そもそも欧米諸国の人たちが学ぶ国語といえば、Reading(リーディング)とLanguage Arts(ランゲージアーツ)に分けられる。

 ランゲージアーツとは、読んで、聞いて、情報を取り入れ、論理的に思考を組み立て、相手が理解できるように自分なりに表現するための方法論を指導する教科である。

 つまり欧米人は、「どうしたら上手く伝わるのか?」という教育を幼いころから受けているため、意見を言う時には必ず結論から言うことがルールになっているようだ。「私は賛成です。なぜなら……」という言い方が身についているのだ。

 しかし、日本人は往々にして「色々な意見がありますが、私の経験から考えると……」などと回りくどい話し方をしてしまうので、外国人と話すときにどんなに英語が流暢でも、全く通じないということも起きる。説明が通じないというのは、たとえ日本語に置き換えても同じことが言えるだろう。

 JALでは現在、つくば言語技術教育研究所で教育を受けた8人の講師たちが約2400人のパイロットの指導にあたっている。初年度は同研究所のカリキュラムに基づいて、4つのコンテンツ「対話」「視点」「分析」「説明」を中心に教育を行った。

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