ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エディターズ・チョイス
2015年7月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
樋口泰行 [日本マイクロソフト 代表執行役 会長],西脇資哲

社長の愚直すぎる熱意を
陰で支える「通訳」の存在
【対談 日本マイクロソフト会長・樋口泰行×エバンジェリスト・西脇資哲】

1
nextpage

去る7月1日に社長交代の人事が行われた日本マイクロソフトで、2008年から7年以上にわたり社長を務め、代表執行役 会長に就任した樋口泰行氏。
「愚直」論』など過去の著作では内気で話し下手な性格を自認してきた樋口氏だが、そんな彼のメッセージを社内外に伝えるスペシャリストとして活躍してきたのが、同社のエバンジェリストである西脇資哲氏だ。
プレゼンターとしての西脇氏の評価は、IT業界内ではつねにトップクラスで、最近では新著『プレゼンは「目線」で決まる』でも注目を集めている。

愚直な情熱を持った経営トップと、それを伝えることに徹してきた部下――絶妙なコンビネーションを見せてきた二人のスペシャル対談をお送りする。
(聞き手・構成:藤田 悠/写真撮影:宇佐見利明)

ステージ上にともに立つ西脇氏(左)と樋口氏(右)

社長に「直プレゼン」にやってきた新入社員

――まずはお二人の出会いからお伺いできればと思います。

西脇:樋口は日本マイクロソフト(当時:マイクロソフト株式会社)の社長になる以前に、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の社長をやっていました。その当時、私は同じIT業界の日本オラクルでエバンジェリストをやっていた関係で、少しだけお会いする機会があったんです。
樋口さんはそのころ、私のプレゼンを見たりしたことはあったんですか?

樋口 泰行(ひぐち やすゆき)日本マイクロソフト 代表執行役 会長
1957年、兵庫県生まれ。80年、大阪大学工学部電子工学科卒業。同年松下電器産業(現パナソニック)入社。91年ハーバード大学経営大学院(MBA)修了。92年、ボストン コンサルティング グループ入社。94年、アップルコンピュータ(現アップル)入社。97年、コンパックコンピュータ入社。2002年、日本ヒューレット・パッカードとの合併に伴い、日本HP執行役員インダストリースタンダードサーバ統括本部長。03年、同社代表取締役社長就任。05年、ダイエー代表取締役社長就任。07年3月、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)代表執行役兼COO、08年4月、同代表執行役 社長就任。15年7月より現職。
著書に『「愚直」論』、『変人力』などがある。

樋口:いや、直接は見てなかったと思いますね。プレゼンを目の当たりにしたのは、入社してから。もちろんその前から「オラクルに西脇というオモシロイ人材がいる」という評判は各方面から伝わってきていましたけどね。

西脇:私がオラクルからマイクロソフトに移籍したのが2009年。当初はエバンジェリストという肩書きではなく、プリセールスのような仕事をしていました。
エバンジェリストになるまでの半年間を私は「助走期間」と位置づけていて、とにかく社内の情報収集と戦略立案に集中しました。マイクロソフトという会社のバリューはどこにあるのか、打ち出すべきメッセージとは何かということをずっと考えていたんです。

樋口そのあとですかね? 僕のところにいきなりプレゼンに来たのは。覚えてますよ。

西脇:そうでしたね。組織変更前のタイミングで、樋口さんに直接プレゼンさせていただく機会をもらったんです。助走期間のあいだに考えたことをスライドにまとめて、「マイクロソフト全社の立場でメッセージを投げる人が必要だ」という話をしたんです。
もちろん各製品は各製品でプロモーションをやっていたし、いわゆる企業広報としての機能も会社にはあったわけですが、日本マイクロソフトの経営者としてどんなことを考えているのかを発信していきましょうよということをお伝えしました。
いまから思うと随分と生意気な話ですが…。

西脇 資哲(にしわき・もとあき) 日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト
1969年岐阜県生まれ。09年、マイクロソフトに入社。マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。「年間250講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。
著書に『プレゼンは「目線」で決まる』などがある。

――それで、樋口会長はそのプレゼンに心動かされたと?

樋口:いまでこそ組織間の壁がかなりなくなってきましたが、当時はどうしても会社が製品ごとにタコツボ化しているような側面がありました。
「じゃあ、マイクロソフトのトータルとしての総合力を訴えるメッセージアウトができているのか?」ということになると、「なかなかできてない」と。そこで、社長室直轄のエバンジェリストということで、西脇に入ってもらったんです。

西脇:たまたまタイミングもよかったと思いますね。マイクロソフトには高い製品力と顧客との長い関係性があるので、既存製品ごとのセールスはけっこううまくいっていたわけですよ。
ただ、私が入社した2009年当時のマイクロソフトは、「クラウド」と「スマートデバイス」という2つの新しい領域に取り組もうとしていた。しかもこれらは、WindowsとかOfficeといった既存製品とも密接に関わってくるので、やはり全社を横断するようなメッセージアウトが求められてくる局面だったんです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


樋口泰行 [日本マイクロソフト 代表執行役 会長]

1957年、兵庫県生まれ。80年、大阪大学工学部電子工学科卒業。同年松下電器産業(現パナソニック)入社。91年ハーバード大学経営大学院(MBA)修了。92年、ボストン コンサルティング グループ入社。94年、アップルコンピュータ(現アップル)入社。97年、コンパックコンピュータ入社。2002年、日本ヒューレット・パッカードとの合併に伴い、日本HP執行役員インダストリースタンダードサーバ統括本部長。03年、同社代表取締役社長就任。05年、ダイエー代表取締役社長就任。07年3月、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)代表執行役兼COO、08年4月、同代表執行役 社長就任。15年7月より現職。
著書に『「愚直」論』、『変人力』などがある。

西脇資哲 [日本マイクロソフト エバンジェリスト]

(にしわき・もとあき)
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員/エバンジェリスト
1969年生まれ。岐阜の小さなシステム会社でプログラマーとしてモニター画面に向き合う日々を過ごしつつ、ひそかにプレゼン技術の研究を重ねる。96年、日本オラクルに入社し、プロダクトマーケティング業務を経験。その後、IT業界屈指のプレゼンターとして頭角を現す。09年、マイクロソフトに入社後、マイクロソフト製品すべてを扱う唯一の日本人エバンジェリストとして活躍。2014年より業務執行役員。
また、独自のプレゼンメソッドが口コミで広がり、全国から講演・セミナー依頼が殺到。「年間250講演、累計5万人以上・200社以上が受講」という圧倒的実績を持つNo.1プレゼン講師としても知られている。三井住友海上、日立製作所、NHK放送研修センター、JT、富士通、サイボウズ、ルネサンス、クレハ、日本ユニシス、国会議員、環境省、立命館小、筑波大附属駒場中・高など、大手上場企業から初等教育の現場にいたるまで、幅広い層の「伝える力」向上に貢献。また、2010年より継続開催中の「エバンジェリスト養成講座」では、定員が即座に埋まるほどの人気を誇る。
著書に『エバンジェリスト養成講座』(翔泳社)、『エバンジェリストの仕事術』(日本実業出版社)がある。

[Twitter]@waki twitter.com/waki
[Facebook]西脇 資哲 www.facebook.com/mnishiwa


エディターズ・チョイス

ダイヤモンド社書籍オンライン編集部によるインタビューまたは厳選した特別寄稿。経済、産業、経営、社会問題など幅広いテーマを斬新な視点で紹介する。

「エディターズ・チョイス」

⇒バックナンバー一覧