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【奈良県】古都の余裕が生む みやびでゆるりとした雰囲気

都道府県データ:Vol.33

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第33回】 2010年3月23日
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 2010年は平城遷都1300周年。聖徳太子が住んだという斑鳩宮がつくられたのは、それよりさらに100年以上前のことだから、気の遠くなるほど昔から、奈良は政治・文化の中心であった。

 京都もそうだが、「都」が置かれたという事実は、その地に暮らす人たちに強いプライドを植えつけるようで、奈良もその例に漏れない。この県に足を踏み入れると誰もがすぐに感じるのが、みやびな空気である。人々の所作振る舞い、言葉づかいも、どこかゆるりとしている。あくせくした風とはおよそ無縁なのだ。

 これには、1200年余の歴史を誇る京都もかなわない。まして、首都としては“新参者”の東京(江戸)など、まったくお呼びでないという感すらある。東京から奈良に出向いたとき、恥ずかしさに似た気持ちを抱くのは、古い都のかもし出すそうした独特の空気のせいだろう。

 明治に入って実施された廃藩置県の際、京都や大阪のように、かつて本格的な都が置かれていたところは「府」になったのに、奈良はなぜか「県」のままとどめ置かれた。しかも、県民はそのことにとりたてて異議を唱えなかったという。そんなうわべのことなど、気にもかからなかったのだろう。

四方を山に囲まれ、精神的余裕もたっぷり

 奈良県人ほど、精神的余裕のある生き方をしている人たちはいないと言っても過言ではない。アルコール消費量、パチンコ店の数が47都道府県中最下位、ピアノを保有する家庭の率は第1位といった統計にも、そんな一面が表れている。

 海のない県だから、おおらかな気質は元来はぐくまれにくいはずなのだが、四方を山や丘に囲まれているせいか、俗世間の雑音が少ないのかもしれない。

 そんな奈良に最近、大阪人が移り住んできているという。ここ数年、その数は増える一方だ。性急な大阪人の影響で、奈良県人のゆったりした気質にも変化が起こりつつあるかもしれない。だが、それでもなお、奈良県人と上手に付き合うコツは、急かさないことだ。また、日本最古の都に住む彼らを前に権威を振りかざすのは得策でないことも知っておく必要がある。


◆奈良県データ◆県庁所在地:奈良市/県知事:荒井正吾/人口:140万5074人(H20年)/面積:3691平方キロメートル/農業産出額:468億円(H19年)/県の木:スギ/県の花:奈良八重桜/県の鳥:こまどり

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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