急拡大するECの信頼性を高める
「ペイメント・ゲートウェイ」

スマホから世界の商品が買える時代に<br />重要度を増してきた「決済インフラ」電子商取引に関する市場調査(経済産業省 2015年5月29日発表)より 拡大画像表示

経済産業省が今年5月29日に発表した資料によれば、日本における平成26年度の一般消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の規模は昨年比14.6%増の12.8兆円に達したという。全体に対するEC化率は4.37%とまだ少ないが、ここ数年は年率2桁ペースでの増加が続いており、将来的に有望な市場だといえるだろう。

 企業間電子商取引(BtoB-EC)の市場はさらに大きく、インターネット経由での取り引き規模だけでも196兆円で、コンピュータネットワーク全体でみれば280兆円に達する。EC化率は前者と後者でそれぞれ18.3%と26.5%となっており、非常に活発な取り引きが行われている様子がわかる。さらにBtoC向けの決済では、Pay-easy(ペイジー)などに代表される税金や公共料金支払いサービスも加えれば、さらに市場規模が膨らむといわれている。

 このように活発化するEC市場で注目を集めているのが「ペイメント・ゲートウェイ」と呼ばれるサービスだ。ECで商品やサービスを販売する事業者と、実際に決済処理を行う金融機関や専門事業者らの間をネットワークで結び、クレジットカード取引の仲介を行う。

 インターネットの興隆とともにECが活発化した15~20年前くらいから参入事業者が増えてきた業態であり、ECにおけるスムーズで安全な取引を実現する。日本でも「ペイパル(PayPal)」という米シリコンバレー発の事業者をご存じの方も多いと思うが、最近ではペイパル傘下の「ブレインツリー(Braintree)」や、新興スタートアップとして注目を集める「ストライプ(Stripe)」などが日本進出を進めている。

 ペイメント・ゲートウェイが提供するサービスはさまざまだが、ECにおいて重要なことの1つは、一般利用者と商店側双方の安全性を担保しつつ、複数の決済手段を提供することでサービスそのものを使いやすくすることにある。

 例えば、ECサイトが本当に信頼できる事業者であるか不安なとき、クレジットカード決済に必要なカード番号や住所情報をすべて先方に渡したくないというケースもあるだろう。もし信頼できる仲介事業者が決済に必要な処理を代行するのであれば、こうした不安は解消されサービスは使いやすくなる。