会長在任中の処理を

 しかし、この書簡をじっくり読んでみると、なんとも不思議な内容であることに気付く。

 というのも、抜本的な改革を求めておきながら、そのトップである鈴木敏文・セブン会長のことを褒めたたえているし、かつ進めている改革についても一定の評価を示しているからだ。かつて投資したソニーなどに対する強硬な姿勢とは明らかに違うのだ。

 その理由について、サード・ポイント関係者は「鈴木会長のことは高く評価しているが、その後継者問題を危惧している」と明かす。

 そもそも、ヨーカ堂の創業者はセブンの伊藤雅俊名誉会長。そのため業界では、「伊藤名誉会長がいる間は、ヨーカ堂を切り離すことは難しい」との見方がもっぱらだ。

 サード・ポイント側もこうした事情を「研究しており、容易でないことは認識している」(サード・ポイント関係者)という。

 にもかかわらず、今回、要求を突き付けてきたのは、「鈴木会長ほどリーダーシップがあり決断できる人材はおらず、その後継者では到底無理な話」だとし、であるならば、「鈴木会長の在任期間中にヨーカ堂の処理を進め、株価を引き上げてもらいたい」(同)との意向があるというのだ。

 セブンは今秋、ヨーカ堂の不採算店舗40店程度を閉店する方針を打ち出したが、分離までは検討していない。今後、株主の意向にどう応えるのか。現時点では、「取りあえず静観の構え」(セブン幹部)だとしている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田島靖久)