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China Report 中国は今

上海市場を席巻する韓国パワーの前に、日本は負け続けるのか?

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第51回】 2010年5月20日
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 上海市場でも韓国が元気だ。薄型テレビ、携帯電話、韓国ファッション、そしてベーカリーからテコンドーに至るまで上海の市場に広く深く市場に浸透する韓国系。そのローカライズのあり方は、明らかに日本企業や日本人とは異なる。

 外灘、人民広場、中山公園――。人が集まるところには必ず「SAMSUNG」の7文字、かつて日本のブランドが支配的だったこの街も、韓国ブランドに塗り替えられようとしている。

社会貢献でも存在感を示し
中国に深く浸透したサムスン

 2000年代前半、韓国ブランドといえばまだまだ二流品でもあったし、当時もてはやされたのはやはり一流品といわれた日本製だった。

 韓国ブランドのイメージが変わり始めたのは05年前後ではないだろうか。日本では「冬のソナタ」「ヨン様」で沸き立っていた頃でもある。上海の市場においては韓国の携帯がひとつのエポックメイキングを作った。サムスンが売り出したのは紅いボディにバラの絵柄をつけた端末。女性をターゲットに絞り込んだ携帯に上海の若い女性が振り向いた。これにはなんと自分の生理日を記録でき、安全日を割り出せる機能までついていた。

中山公園駅前の広場をジャックするサムスンの広告

 サムスンの携帯電話はその後ぐんぐんと頭角を現すようになってきた。電車の中を見回せば、「Anycall」のロゴが入った携帯が眼に飛び込んでくる。ノキアに追いつけ追い越せ、そんな勢いが伝わってくる。

 サムスン電子は1992年8月の中韓国交正常化より数ヵ月早く中国に進出した。同年初めて天津に合弁会社を設立したことから始まる歴史は決して長いとは言えないが、09年、中国大陸への投資金額の累計は80億ドル、135の現地法人と研究所を持つに至り、その売上高は308億ドルに達した。ちなみにソニーの欧米を除く海外での売上高は09年度で約1兆8750億円である。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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